命を守る仕組みと配慮「緊急時も落ち着いて冷静に行動を」

2021年12月29日、愛知県新城市の新東名高速・下りの「鳳来トンネル」で、走行中のトラックに乗用車が追突し、トラックの荷台が炎上した。この事故でトンネル内は一時煙に包まれたが、運転手にケガはなく他の人も避難してケガ人は出なかった。

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トンネルでの事故の際、安全な場所に誘導してくれるのが「非常口」だ。非常口の先はどうなっているのか。阪神高速道路の協力で普段入れないトンネルの非常口に潜入すると、その中には意外なものがあった。

向かったのは、大阪府にある阪神高速大和川線。阪神高速の中元佑一さんに案内していただいた。トンネル内は走行の妨げにもなり危険なため、今回は阪神高速の敷地内に設置してある地上の出口から入った。

中に入ると、まず階段が現れた。声の響きからかなり深いことがわかる。下へ降りてみると…。

阪神高速 中元佑一さん:
建物でいうと大体10階相当、約30mですね

高さは約30m。上るのも大変なため途中の踊り場にはベンチが設置してあり、配慮が行き届いている。

歩きはじめて3分、ようやく階段が終わった。

阪神高速 中元佑一さん:
ここを出ると、車が走行している空間です

この扉がトンネル内からの非常口。

トンネル内からだと、このような見た目になっている。

非常口には、実はある工夫が施されている。

阪神高速 中元佑一さん:
火事の煙が入ってこないような、安全な空間になっております

通路内は気圧が高いため、外の煙が入りにくい構造になっていて、安全に避難することができる。

また、電話ボックスもあった。

阪神高速 中元佑一さん:
阪神高速の交通指令台というところにつながります。お年寄りの方でしたり、階段を上るのがつらいといった場合に、救助を要請することができるようになっています

そして、さらに下に続く通路があり、その先にはなんと滑り台が。

阪神高速 中元佑一さん:
非常口としてすべり台を設置しております

全国の一部で、こうしたすべり台式の非常口も設置しているとのこと。

中元さんによると、阪神高速では2016年度からの5年で、22件のトンネル事故・火災が起きている。

高速道路で実際に事故などが起きた際、とるべき行動についても伺った。

・緊急車両が通れるように、車は左側に寄せて停車する
・サイドブレーキをかけてエンジンを切る
・救助活動で車を動かすことがあるので、車から降りる時は、必ず鍵を残したままにする
・非常口に向かい避難する

中元さんは「どんな時も落ち着いて冷静に行動してほしい」と話していた。

(東海テレビ)

東海テレビ
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