全国で爆発的に増えている新型コロナウイルスの新たな変異ウイルス「オミクロン株」。北海道でも感染者の急増が止まらない。最前線で患者と向き合ってきた医師は危機感を強めている。

旭川赤十字病院 牧野憲一 院長:
倍々ゲームで日ごとに倍になるという、大変恐ろしい増え方をしている

「オミクロン株」に危機感強める医療現場

強い危機感を抱くのは北海道旭川市の基幹病院、旭川赤十字病院の牧野院長。

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年末年始に人が動いた影響で、旭川市内では近く感染者が10倍に膨らむ可能性があると懸念していた。

旭川赤十字病院 牧野憲一 院長:
年明けの旭川市内のコロナは落ち着いていますけれども、これだけ人が動く、観光客が入ってくるのであれば、これから1~2週間のうちに市内の感染者数は10倍ぐらい跳ね上がる

1月中旬に入り感染者が急増…

実際、1月10日までは一日5人以下だった市内の新規感染者は、14日は約4倍の19人。19日には約10倍の40人に急増した。

さらに、気になるのは重症化リスク。WHO世界保健機関は若い人と同様に高齢者もリスクが低い可能性があるとしているが、牧野院長はかつてないスピードで感染者が増加した場合、結果的に重症者が増える可能性があると危惧している。

重症化リスクが低くても「安心できない」状況

旭川赤十字病院 牧野憲一 院長:
重症化率が仮に10分の1だとしても、10倍の感染者が出たら、同じだけの重症者が出てしまう。すぐに安心できるものではない

このため、医療ひっ迫を防ぐためにも、今こそ医療機関の連携が欠かせないと訴える。

旭川赤十字病院 牧野憲一 院長:
自宅療養や宿泊療養もいいですよとなってきている。急には病床(の使用率)も増えないと予想しています。逆に問題になるのは、宿泊療養が増えてくる。そうなった場合には医師会の方で自宅療養の人を経過観察する、といった協力するという体制を2021年からつくっております

医療のひっ迫を防ぎながら、経過観察をしっかりできるシステムを感染者急増の中でどう維持できるか。現場の緊張感は高まっている。

(北海道文化放送)

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