髪を短く切り、黒いジャージ姿で法廷に現れた男。窃盗の罪などに問われている鹿児島県出身の無職、南将志被告(33)。
2021年12月23日、福岡地裁小倉支部で判決が言い渡された。
井野憲二裁判官:
被告人を懲役2年6か月に処する
捜査関係者などによると、南被告は“空き家専門”の窃盗犯。2017年から約4年間に渡り、インターネットのストリートビューで目星をつけた県内外にある複数の空き家に侵入。室内にあった現金や金塊などを盗み続けた。
空き家をターゲットにした理由について問われた南被告は…
南将志被告の供述:
テレビ番組で、生前に整理されていない空き家の問題を知り、犯行を思いついた
被告は盗んだお金で豪遊
南被告が関与した事件は、警察が把握しているものだけで443件。その被害総額は3,000万円を超えている。
ところが、これまでの公判で南被告が盗んだ総額は3,000万円どころか、1億円近いことが明らかになった。
(被告人質問 2021年12月10日)
裁判官:
盗んだお金はどれくらい?
南将志被告:
9000万円以上です。私は金持ちになりたい。仕事をせず、楽に暮らしたいという欲がありました。楽をしたかったです
南被告は盗んだ物を買い取り業者に売りさばき、手にした金で神戸牛や松阪牛などの高価な肉や、ドン・ペリニヨンなど高級酒を次々に購入。何不自由ない生活を過ごしていた。
ところが2021年3月、大牟田市内で正当な理由がないにも関わらずマイナスドライバーを隠し持っていたところを警察官に現行犯で逮捕され、これまでの犯行が明らかになった。
検察側は、「常習性は極めて根深く、徹底した矯正教育を施すほかない」などとして懲役3年6カ月を求刑した。
判決公判で福岡地裁小倉支部の井野憲二裁判官は、「地図アプリを活用し広い範囲で侵入を繰り返した」と指摘。「常習性は誠に深刻」と断罪し、懲役2年6カ月の有罪判決を言い渡した。
(テレビ西日本)