静岡市に“魔法”をモチーフにしたカフェがオープンした。
古びた木が絡みついたような外観。まさに魔女が住んでいそうな店には、色が変わる飲み物や、スモークが湧き出すケーキなど魔法的なメニューが並ぶ。

オーナーは現役の大学生で、街を元気にしようと起業した。
コロナで静まった街に魔法をかけられるか?

「魔法のティータイム ヴェルベナ」(静岡市葵区)
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2021年10月、静岡市の中心市街地にオープンしたのは「魔法のティータイム ヴェルベナ」。
一歩中に足を踏み入れると…大きな木が店の中心にあり、客席に倒れかかってきそうな本棚には、クモの巣がかかった怪しげな本がびっしり。

ヴェルベナの店内は魔法の世界観で統一されている

誰も触っていないのに、グルグルと混ぜられている魔法の鍋。
何をするためのものかわからない、機械の配管が壁をはっている。

客席に迫るような本 読みたい本は本棚が動いて届けてくれる…という設定

店のコンセプトを考えたのは19歳の現役大学生で、この店のオーナーの南條未由さんだ。
普段は大学の農学部で木材について学んでいるが、勉強の傍らカフェの経営者となった。

カフェのオーナーで現役大学生の南條未由さん

南條未由さん:
こちらのお店は、少女が旅に出て、やがて魔女になっていくという絵本があり、その1ページ目をモチーフに作りました。ここは少女が住んでいたお城の研究室なんです

「絵本」とは南條さんの頭の中にある物語だ。
「不思議な力を持った少女モアは、古い城のてっぺんの部屋に閉じ込められている。ある日、城の外に少年が現れ、モアは外の世界に憧れを持ち始めるが…」と、詳細な設定を作り込んでいる。

店は魔法少女モアの部屋という設定

内装だけでなく、メニューにも訪れた人を楽しませる“魔法”がかけられている。

南條未由さん:
「パンケーキ森」です。森の中の切り株をイメージしています

フタを開けるとベリーの甘い香りがするスモークの中から、切り株のようなパンケーキが現れた。

パンケーキの上には濃厚なマロンクリーム。パイ生地で包まれ、パリっとした食感も楽しめる。

また「バタフライピー」というハーブを使った紫色のソーダは、一緒についている「魔法の雫」を垂らすと色が赤に変わる。

南條未由さん:
私がちょうど大学に入学した頃、コロナ禍が始まってしまい、家に引きこもる日々が続いたので、その時に何かしなければと思い、このカフェを思いつきました

日常を忘れることができる空間を自ら作ろうとチャレンジした南條さんだが、通りはコロナ禍で閉店した店も多い。

ヴェルベナの周囲にはコロナ禍で閉店した店も

客に安心して来てもらえるよう、席の配置を長い時間勉強して考えた。消毒液を入れる容器は、魔法の世界観を壊さないよう香水瓶に。
来店してくれた人は「現実ではないみたい」と、すっかり南條さんの魔法にかかっているようだ。

消毒液を入れた香水瓶 魔法の世界観は壊したくない

南條未由さん:
レジの扱いもすべて1から勉強しました。計算がとても苦手なので特に大変でした。私と同じ年代の若者が、こういった事業に踏み込めるように応援したいです

大学との両立は睡眠時間を削らなくてはならないほどだが、建築デザイン事務所を経営する父親から経営のノウハウを学んだ。

レジの扱いもわからず1から教えてもらった

とにかくやると決めたら行動するという南條さん。行動力や豊かな想像力に裏打ちされた南條さんの“魔法力”は、同世代だけでなくコロナで疲弊した街も元気にしてくれそうだ。

(テレビ静岡)

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