沖縄県内各地に大量の軽石が漂着している問題。国は12月から、海底の砂利を採取する船を改良して軽石の回収作業に取り掛かっている。

1分間に約100トンの水を吸い込む大型ポンプ

12月16日、作業の様子が公開された。本部半島と屋我地島に囲まれた名護市の羽地内海。海面は軽石で覆い尽くされ、船はまるで砂地の上を走っているかのように見える。

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そんな軽石だらけの海に浮かぶひときわ大きな船は、全長70メートルあまりの大型の砂利採取運搬船「RB101」だ。

仲宗根琢人記者:
羽地内海に浮かぶ軽石の作業船に来ています。ご覧のように、ポンプを使ってグイグイと海面の軽石を吸い上げる様子が確認できます

この船は本来、海底の砂利を採取するためのものだが、1分間に約100トンの水を吸い込む強力なポンプを改良し、国の軽石の除去作業の一環として12月から導入された。

吸い上げられた軽石は、船の中心部にあるホールドと呼ばれる場所に集められた後、ベルトコンベアで陸揚げされる。

この船を使った作業だけでも、12月6日から15日までの間に約2100立方メートル、10トントラックに換算すると350台分の軽石を回収した。

軽石の漂着状況に応じてスピーディな対応を

港湾では陸上から重機で除去が可能な一方、海上では効率よく軽石を取り除く技術がこれまでなかったことから、沖縄総合事務局の石原指導官は、今後の活用に期待を寄せている。

沖縄総合事務局 石原正豊 港湾空港指導官:
大型のポンプを使って海上で作業できるというのが、この船の特徴だと思いますので、軽石の漂着状況に応じてスピーディな対応ができるようになってくると期待しています

羽地内海では、これ以上軽石が流れ込まないよう各所に汚濁防止膜を設置していて、溜まった軽石を集中的に回収する作業が2022年上旬まで続けられる予定だ。

(沖縄テレビ)

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