皇后・雅子さまは、9日、58歳の誕生日を迎え、二十歳になられた長女の愛子さまについて、「一歩一歩成長し、成年皇族としての務めを無事に果たすことができますよう願っております」と文書に綴られた。

誕生日に当たり寄せた文書の中で、皇后さまは、愛子さまの誕生から20年を、「長かったようにも、あっという間だったようにも感じられます」「あの幼かった愛子がもう成年かと思いますと、信じられないような気持ちもいたします」と振り返られた。


その上で、「成年の行事もおかげさまで無事に終えることができ、安堵いたしました」「多くの方々から温かい祝福を頂きましたことに心から御礼を申し上げます」と心境を綴り、「これからも様々な経験を積み重ねながら一歩一歩成長し、成年皇族としての務めを無事に果たすことができますよう願っております」と今後の歩みに思いを寄せられた。
長期化するコロナ禍については、「闘病中の方や後遺症に苦しまれている方々にはお辛いこととお察しし、心からお見舞いを申し上げます」と記し、変異株の出現により、「皆が心を合わせて、できるだけの対策や努力を続けていく必要を感じます」と指摘された。

また、収入の減少や進学の断念など苦境に直面している人たちや自殺者の増加などを「胸が痛みます」と案じ、「これまで以上に皆でお互いを気遣い、支え合っていける社会となっていくことを願っています」と綴られた。
発生から10年となった東日本大震災については、陛下と共にオンラインで被災者と交流したことに触れ、「今もなお生活を再建できずにいる方や、癒えることのない心の傷を抱えた方々もおられることに心が痛みます」「今後とも、陛下と御一緒に被災地の方々に心を寄せていきたい」
と記された。

今年9月に赤坂御用地から皇居に引越したことを「長年住み慣れた赤坂の地を離れることには寂しさを感じました」と明かされた。生活環境の大きな変化を受け、皇后さまの治療を担当する医師団は「十分に時間を取って新たな生活になじむ必要がある」と指摘した。

感想の中では、10月に結婚した秋篠宮家の長女・小室眞子さんについて触れられていないものの、側近によると、皇后さまは皇族としての活動に真摯に取り組んだ眞子さんが幸せな人生を歩んでいくよう願われているという。
一方、皇后さまの適応障害の治療は18年に及び、側近によると、コロナ禍で外出や国民と直接触れ合う機会が限られ、体調が整いにくくなっている面もあるという。現在も少し疲労がたまっている状況で、医師団は、「依然として回復の途上にあり体調には波がある」として治療の継続が大切だと説明している。


20年は感染状況に鑑み、祝賀行事は見送られたが、21年は、人数を絞り、飲食を伴う行事を実施しないなど、感染対策を講じた上で、祝賀行事が行われる。午後には、両陛下で、港区・高輪の上皇ご夫妻のお住まいを訪問し、挨拶される予定だ。
9月の皇居への引っ越し後、両陛下の外出は初めてで、上皇ご夫妻と会われるのは、およそ1年9か月ぶりだ。
