宜野湾市・普天間基地の名護市辺野古への移設計画をめぐり、玉城知事は、沖縄防衛局が2020年4月に埋め立て予定海域の北側、大浦湾で見つかった「軟弱地盤」を改良するために申請した設計変更を11月25日に不承認とした。
土木工学の専門家からは、地盤改良の実現性を疑問視し、県の判断を「妥当」とする意見も上がっている。

2020年4月
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玉城知事「見切り発車に起因」

玉城知事:
普天間飛行場代替施設建設事業にかかる、設計概要変更承認申請について、本日不承認とする処分を行いました。不確実な要素を抱えたまま、見切り発車をした事に全て起因すると考えています

11月25日

玉城知事が「見切り発車」と批判した背景には、軟弱地盤の調査をめぐる国の対応がある。
埋め立て予定区域のうち「B27」と呼ばれる地点では、海面から90メートルの深さまで軟弱地盤が続くことが判明している。

土木工学が専門の日本大学・鎌尾彰司准教授に聞いた。

日本大学・理工学部 鎌尾彰司准教授:
「B27」の方が、より軟弱な数値になっている箇所もありますので、地質調査をしないで設計できるっていうものではないと思います

国内の地盤改良工事で実績があるのは水深70メートルまでで、90メートルの深さを改良した例がない。
しかし国は、「B27」の地盤の強度を直接調査せず、周辺の3地点から採取したサンプルを以って地質を推定している。

県は再三、B27の地盤の力学試験を行うよう求めたが、国は「必要ない」と応じず、県はこの点を設計変更を認めない根拠の軸としている。

専門家「恒常的な補修が必要」と指摘

日本大学・理工学部 鎌尾彰司准教授:
90メートルという深さまで地盤を改良した経験もありません。それが本当に防衛局側が自信をもって出来る、そういうものなのかっていうのは、なかなか我々には分からない。伝わってこないというのが現状かと

鎌尾准教授は、仮に滑走路が完成したとしても地盤の強度が不足していることによる部分的な沈下は避けられず、恒常的な補修が必要になると指摘。アメリカ軍が安定して運用できるか疑問視している。

日本大学・理工学部 鎌尾彰司准教授:
B27は埋め立ての東側の護岸の真下に位置します。護岸が滑って転倒してしまう、破壊になって、そういう恐れもありますし、ここの地盤の性質をよく調べないと、飛行場として供用してから長い期間に渡って沈下が生じて、段差とかでこぼこが出来る。そんな恐れもある場所だと思っています

護岸が破壊されかねないという重大な懸念を抱えたまま進められる工事。
政府は、県の不承認を受けて近く対抗措置を取ると見られる。

(沖縄テレビ)