「浦添西海岸」になまえをつけよう

米軍キャンプキンザーの一部返還によって市民に解放されたのが、サンセットが美しい沖縄県浦添市の「浦添西海岸」。
この海になまえをつけようと呼びかけるのは、カメラマンのタイラジュンさん。その想いに呼応するのは、港川自治会会長の銘苅全郎さん。

2021年11月12日
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地元・港川では、15年以上も前から浜辺を子どもたちの学びの場として活用してきた。

この海をこよなく愛する二人に、「うみのなまえ」募集にこめた想いを聞いた。

「うみになまえをつけよう」呼びかけ人 タイラジュンさん:
戦争はさんで、いったん海が奪われてしまったわけですから、自分たちの海というか、自分たちで街づくりとか参加していくきっかけになっていくといいかもしれないなとも思っています

銘苅さんは当初、複雑な想いもあったと本音を漏らす。

港川自治会 銘苅全郎会長:
以前は、この海に面している集落の名前がついた海としてあった。浦添市民全体の海、自分たちの海だというカタチになるというのは、時代の変化を感じながら、それはそれで意味があるんじゃないかなと

取材した日の11月12日、浜辺には軽石が打ち寄せて普段とは違った表情を見せていた。

2021年11月12日

港川自治会 銘苅全郎会長:
白い砂浜だけが砂浜ではないはずだからね

「うみになまえをつけよう」呼びかけ人 タイラジュンさん:
いろんな自然があるはずだから。人間が利用するばかりの自然ではないはずだからね

経済優先の開発でいいのか…

基地の返還によって市民に解放されたこの海には、今 那覇軍港の移設に伴う開発計画が持ち上がっている。

これまで県内各地で進められてきたような経済優先の開発でいいのか…と、タイラさんは問いかける。

「うみになまえつけよう」呼びかけ人 タイラジュンさん
来年、復帰50年の節目を迎えて、半世紀経ってこれまでと変わらない形で開発を進めていくことにとても違和感を覚えていた

立ち止まって考えてほしいとタイラさんは、自身が経営するレストランでこの海をテーマにしたアート展を開くなどアクションを起こしてきた。

2021年1月

「うみになまえをつけよう」呼びかけ人 タイラジュンさん:
もっと違う経済の発展のさせ方とか、人々が豊かになるような仕組みを考えていく上でも、浦添のいま抱えている問題はとても大きいと思う

アート展で紹介されたモノクロームの写真。1960年代に港川海が埋立てられる前に撮られた銘苅さんの家族写真だ。

港川自治会 銘苅全郎会長:
自然を食いつぶしてきた。責任はもっと重いわけだよね。そういう世代としての責任から今、里浜活動をやっている。自然環境の問題っていうのは、保革の政治問題ではない。”世代の問題”だと。世代に対して何を残すかという問題だと

「うみになまえをつけよう」呼びかけ人 タイラジュンさん:
僕たちも子どもが生まれると名前を付けるじゃないですか。名前っていうのは、その命に対して初めて贈るプレゼントみたいなものじゃないですか。その名前を親は死ぬまでずっと呼びかける。その中で、いろんな関わり合い方が出てくるわけだから。
他人事じゃなくなるというか、自分たちが呼んでいる海というかね。そういうことも期待している

「うみになまえをつけようコンテスト」は浦添市の助成金を活用。審査員は港川小学校の児童や松本哲治市長が務め、「うみのなまえ」は12月3日に発表される予定だ。

(沖縄テレビ)