スマートフォンの世帯保有率は83.4%。広くスマホが普及する今、「デジタル終活」という言葉に注目した。

突然やってくる臨終の時。街で「あなたはスマートフォンを残して死ねますか?」と聞いてみると…。

女性:
わぁ、死ねない。死ねる?

女性:
絶対だめです。友達のやりとりとか、家族に言えないこともたくさんある

女性:
抱えて死ぬかも。墓までもっていく

――自分のパスワードは人に教えている?

男性:
教えてないです。全員そうなんじゃないですか?

しかし、パスワードを伝えていないことで残された遺族に大きな負担がかかる事態が起きている。

“目に見えない遺品”で負債を抱えることも

亡くなった人のスマートフォンやパソコンなどを「デジタル遺品」といい、そのパスワードがわからず様々な問題が生じている。

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広島市内で葬儀の仕事に携わる西村さん。様々な死に際を見てきた経験から、終活カウンセラーとして人生の終え方のアドバイスをしている。2021年6月から、デジタル遺品の問題と向きあう「デジタル終活」を項目に加えた。

オフィスさくら終活カウンセラー・西村有う子さん:
今までのは簡単に言うと「目に見える遺品」ですね。例えば車を持っている、骨とう品、預貯金は通帳で、はっきりわかるように書いてある

オフィスさくら終活カウンセラー・西村有う子さん:
今は、スマホとパソコンの中に入っている、目に見えないものがデジタル遺品となっています。デジタルというものに個人の情報が移行してきているという背景があると思います

これまで遺族は通帳や有価証券などで把握できていたが、ネット銀行や電子マネー、暗号資産など、デジタル遺品は目に見えず財産の相続を逃したり、知らぬ間に負債を抱えていることも。

また、音楽聞き放題などの定額サービス、月々支払いをするサブスクリプションにも注意が…。

オフィスさくら終活カウンセラー・西村有う子さん:
AmazonプライムやNetflixなど、月々の課金でサービスの提供を受けることをされていると思いますが、亡くなった時にサブスクのサービスの形態によっては、ずっと課金が発生している可能性もあります

こうしたトラブルを防ぐには、どうすればよいのか?

オフィスさくら終活カウンセラー・西村有う子さん:
スマホのアプリとして必ずダウンロードされていると思うので、そこからたどっていけば何とか見つかります。通信契約を解除したら、そこの手がかりがなくなってしまうということになります。アプリの中身、アカウントが明らかになるまでは、ちょっと無駄だとは思いますが、通信契約は解除されない方がいいです

しかし、すべてはスマホのパスワードを解除できることが前提で、生前に家族と情報を共有しておくことが必要になる。おすすめの方法は…。

オフィスさくら終活カウンセラー・西村有う子さん:
携帯の暗唱番号を書いておく、その上からホワイトマーカーで消しておけば、通常は見られない状態ですね。万が一のことがあった時に、コインなどでスクラッチカードのように削ればパスワードが見えます。最大のできることは自衛しかありません。結果、アナログで残すというのが一番最善になります

書き出すと意外と多いサブスク 整理と見直しを

西村さんのデジタル終活セミナーを受け、実践した女性を訪問した。荒谷さんは3人の子を育てるお母さん。ご主人と死後の話をゆっくりしたことはないが、こっそりエンディングノートに書き残している。

荒谷まどかさん:
順番としては子どもより先に死ぬものとして、死に方というのをちゃんと子どもたちに見てほしいなというのがあって

そこで、パソコンを使い情報をまとめただが…。

荒谷まどかさん:
羅列して書き出してみたらものすごく量があって、ちょっとびっくりしました。社会人の頃に投資をしていたものですとか、やっていないものも結構多いですが、そういうものを解約せずに結局とってあるなと

特に怖さを感じたのが、毎月定額で支払っているサブスクリプション。

荒谷まどかさん:
自分が仮に突然、何かあって死んだり入院しても、ずっと引き落としがある。月に1000円、2000円だとしても、1年間で2万円とかそのぐらいのお金になっていくし。それが10~20年続いたら、すごく大きなお金になると思うので、ここは止めておいた方がいいかなって

一方で、若い世代こそ大切だとも感じている。

荒谷まどかさん:
終活という言葉になると、私たち親世代が整頓していってね、という感覚になると思いますが、デジタルのものを一度整理して把握しておくのはすごく重要かなと思っています

(テレビ新広島)