11月19日から21日で行われた全日本ジュニア選手権。

ジュニア男子は三浦佳生、ジュニア女子は島田麻央、ジュニアアイスダンスは來田奈央・森田真沙也組が優勝。

全日本選手権への出場を決めた男女6名の選手たち
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未来の日本フィギュアスケート界を担うジュニアたちの登竜門であるこの大会。各ブロックで行われた選手権を勝ち上がり、それぞれの大会で優秀な成績を収めた選手や、全日本ノービスで優勝した推薦選手らが参加した。

ジュニア男子

ジュニア男子で表彰台に上った壷井達也、三浦佳生、吉岡希(左から)

上位6名が12月23日から26日にかけて行われる全日本選手権へ出場を決めた。

「大差をつけて優勝したい」と話していた優勝候補筆頭の三浦佳生は、ショートでトリプルアクセルのミスなどが響きまさかの7位発進。

「全日本選手権に出場できないのではないか」という不安があったという三浦。第3グループでの滑走となったフリーでは、4回転ジャンプとトリプルアクセルを2本ずつ成功させ怒涛の追い上げを見せた。

三浦佳生

特に冒頭のトリプルアクセル、4回転サルコウ、4回転トゥループ+3回転トゥループでは全てでスピード・高さ・幅の申し分ないジャンプを披露しそれぞれ3点以上の加点がついた。

5つ目のジャンプ4回転トゥループでは転倒し、壁に激突してしまったが、すぐに立ち上がって駆け出すと三浦の気迫は最後まで途切れず。演技後は「うんうん」と頷いた。

キスアンドクライでコーチと抱き合う三浦

キスアンドクライでは得点が出ると三浦の涙腺は崩壊。演技直後のインタビューで、「試合で泣いたことがないので、それくらい不安だった。その不安を跳ねのけて、解放されて思わず泣いてしまいました」と涙の理由を明かした。

場内のスタンディングオベーションには「有観客での試合は良い演技すると気持ち良い、温かい拍手をしてくれたので嬉しかった」と笑顔を見せた。

三浦佳生

優勝が決まった瞬間は「信じられない気持ちと、嬉しさの“フワフワ感”がミックスしていた」という。

また、フランスで行われていたグランプリシリーズで、“ライバル”の鍵山優真と佐藤駿が同じ表彰台に上ったことも刺激を受けたという。

全日本選手権には2年連続2度目の出場で、2022年にブルガリアで行われる世界ジュニア選手権の代表にも内定した。

壷井達也

2位の壷井達也はノービス時代を含め7年連続7度目の出場となり、全日本ジュニアは今年が最後の出場となった。ショートでは持ち前の安定感を発揮し、周囲が相次いで崩れる中、最終滑走でノーミス演技を披露。

フリーでは未だ成功していない4回転サルコウに挑戦したが着氷が乱れた。「試合で片足着氷も初めて」と手ごたえを感じるも2度目の優勝はつかみ取れなかった。

壷井達也

「少しの差で優勝できなかったんですけど、いま自分できることは全て出し切ったので、今の実力では2位が妥当かなと思います」と冷静に分析した。

2018年以来の優勝には手が届かなかったが、10月の近畿選手権での左肩脱臼というケガも乗り越え、全日本選手権には2年ぶり5度目の出場(2019年はショートの6分間練習で負傷し棄権)を決めた。

大舞台まで残り1カ月、壷井は「実力を高めて最高の演技をしたい」と話した。

1 三浦 佳生(目黒日本大学高等学校)229.28
2 壷井 達也(神戸大学)227.60
3 吉岡 希   (西宮甲英高等学院)191.80
4 片伊勢 武(神戸クラブ)188.37
5 大島 光翔(明治大学)183.86
6 中村 俊介(木下アカデミー)180.13

ジュニア女子

ジュニア女子で優勝した住吉りをん、島田麻央、千葉百音(左から)

ノービス推薦の島田を除く、上位6名が全日本選手権の出場を決めた。

島田麻央は、ノービス推薦選手としては男女通じて史上初、全日本ジュニア優勝の快挙を達成。中学1年生での優勝は1994年の荒川静香さん以来、27年ぶり。

島田麻央

フリーの4回転トゥループは、基礎点9.50に加え、GOE(出来栄え点)が+1.90点も追加された。6分間練習ではミスが続いたが「どちらも同じような失敗をしていたので、その失敗にならないように考えて、思い切りやりました」と中学生とは思えない冷静さを見せていた。

島田は近畿選手権、全日本ノービス選手権に続き、4回転トゥループに成功。「あまり決められていない時もあったんですけど、最近決められるようになってきたので少し自信がついた」と話した。

島田麻央

快挙を支えてたのは4回転ジャンプだけではない。ショートとフリー合わせて10本のジャンプ全てが回転不足などの減点がない、完璧ジャンプだった。スピンも両プログラムともレベル4の評価を獲得。全ての技術要素でGOE(出来栄え点)のマイナスがなかったことも大きな勝因だ。

来年からジュニアの舞台に移る島田は、4回転トゥループを2本組み込むことへの挑戦や「ジャンプ以外の表現力やスケーティングも向上させて、演技構成点も上げていきたい」と今後の目標を挙げた。

住吉りをん

2位の住吉りをんはショート首位発進も、フリーではジャンプにミスが出た。演技後は「練習の成果を出し切れなかった悔しい演技になってしまった」とこぼした。しかし、PCS(演技構成点)ではショートとフリーともに他の選手たちを圧倒。

住吉りをん

確実な成長を感じさせる演技を見せ、初の表彰台に。

2位という結果も、「私は不器用なところもあって、すぐに結果が出るタイプではない。でも今までよりは少しずつ成長してきているし、それが2位につながったと思う。伸びしろが残ったということ、これからも努力を怠らないで頑張るための2位だったのかもしれない」と受け止め、前を向いた。

2年連続2度目の全日本選手権へ出場する。

千葉百音

3位の千葉百音はショートプログラム7位も、第3グループ滑走となったフリーで追い上げ、表彰台へ。

今大会では、「自分の全力を出し切ることが初めてできた」と手ごたえを感じた様子。全日本ジュニアへもただ一人の東北・北海道ブロックから勝ち上がった千葉は、3年連続全日本選手権へ出場を決めた。

無事演技できて「セーフ」ポーズで笑顔を見せる三枝知香子

全日本選手権への出場とはならなかったが、今大会に対して並々ならぬ気迫を感じさせた選手がいた。22位の三枝(さいぐさ)知香子。ジュニア最終年で初めての全日本ジュニア出場だった。

しかし、21日のフリー当日が大学受験と被り、20日のショート後に東京に戻り受験をし、再び大会の会場、名古屋へ戻ったが、6分間練習には間に合わず、第2グループ6番滑走の順番にも間に合わなかった。だが、マイナス5点減点の代わりに3分間の猶予を得て、制限時間内に間に合い、リンクに飛び込んだ。

山田満知子コーチ、中野園子コーチ、川梅みほコーチらがチームの垣根を越え協力。車を手配し、三枝は車内で着替え、靴を履いた。さまざまなスタッフの協力も得て、リンクで演技を披露した三枝は演技後涙をこぼした。

1 島田 麻央(木下アカデミー)188.51
2 住吉 りをん(駒場学園高校)180.25
3 千葉 百音(東北高校)175.41
4 吉田 陽菜(木下アカデミー)172.55
5 田中 梓沙 (木下アカデミー)171.62
6 柴山    歩 (木下アカデミー)166.68
7 中井 亜美(MFアカデミー)165.76

ジュニアアイスダンス

ジュニアアイスダンスの表彰式

ジュニアデビューシーズンとなった來田奈央・森田真沙也組は、見事に全日本ジュニアで優勝。

來田奈央、森田真沙也組

しかし、78.62点のフリーダンスは目標としていた90点に届かなかったこともあり、悔しさをにじませた。

1 來田 奈央 ・森田 真沙也(木下アカデミー)131.06
2 佐々木 彩乃・田村 篤彦(日本大学・正則学園高等学校)122.99
3 山下 珂歩・永田 裕人(セント星ヶ丘FSC)106.40
4 藤木   翠・下川 誠也(パピオフィギュアクラブ)95.69
5 小松 春陽・熊野 英輔(明治神宮外苑FSC)84.26