田んぼで金魚の養殖に取り組む男性が島根・出雲市にいる。金魚と無縁の地で1人始めた「エコ」なビジネスに迫る。
働き盛りの38歳、夢を叶えるための工夫とは?

「幸せすぎる」金魚養殖は天職?

赤や黄色、漆黒…。中国から500年前に伝来したとされる金魚。日本各地での様々な品種改良により、その数は100種類以上とも言われている。優雅にたなびくその姿は、日本人の心を掴んで離さない。

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出雲市多伎町、イチジクの産地として知られる山間地。
金魚が養殖されていると聞き行ってみると、濁った水から大量に…。養殖している池は、ただの池ではない。「田んぼで金魚」という文字も。

山田真嗣さん:
もともとは休耕地ですね

Tシャツに「田んぼで金魚」と書いてある

(Q.田んぼで金魚は珍しい?)
山田真嗣さん:

この辺りでは珍しいが、金魚の生産が有名な奈良県の大和郡山とか愛知県の弥富では割と一般的

養殖していたのは、元々は田んぼ、休耕田。金魚養殖をするのは、出雲市出身の山田真嗣さん(38)。千葉県の観賞魚の輸入卸会社で働いていたが、自分で金魚を育てたいと一念発起。5年前に地域おこし協力隊としてUターンし、2年前に独立した。

山田真嗣さん:
小さい頃から金魚がずっと好きなので、これだけたくさんの魚を自分で選んで良い環境は贅沢すぎる。めちゃくちゃ幸せな環境です

東京海洋大学出身で、根っからの金魚好き。やはり「金魚すくいも得意?!」ということで、記者と金魚すくい対決。

お手製の金魚の被り物も

安部大地記者:
(自分は)全然とれないのに、すごいすくってる

山田さんは、1分間で19匹。まさに金魚マスター。

2万匹の金魚を天敵から守り育てる

ところで金魚の養殖は儲かるのか。
山田さんが養殖している中で最も高いのが、全身が金色に輝いて見える「黄金琉金」。店頭価格は1匹約2,000円。尾ひれが蝶のように見える「蝶尾」という金魚は1匹1,000円以上。観賞魚として人気で、ビジネスチャンスを秘める金魚。

しかし優雅な姿とは裏腹に、苦労は尽きない。

山田真嗣さん:
鳥に食べられたりして、生産したものが全部商品にならないことが多かった

鳥に加え、ヤゴ(トンボの幼虫)・ゲンゴロウも天敵。池をネットで覆うなど対策し、今では1ヘクタールで約2万匹を養殖。

全国に出荷しているが、2021年度の売上見込みは300万円ほど。家族6人の山田さん、金魚で生計を立てるのは難しいのが現実。
そこで、養魚場の近くで多伎町特産イチジクも栽培している。

山田真嗣さん:
金魚とイチジクと、多伎町で一緒に取り組んでいけたらいいなと思っている。多伎町が金魚のひとつの産地と呼ばれるように、しっかり良い金魚を作っていきたいと思う

イチジクで地域に根ざし、金魚養殖の更なる拡大へ。2022年度は出荷量を2倍に増やす計画だ。

(TSKさんいん中央テレビ)