東京都で10月11日、新たに確認された感染者数は、今年最少の49人。

さらに、緊急事態宣言の解除で加速する経済活動の再開。宣言解除から2週間がたち人出も増える中、感染者の減少が続くのはなぜなのでしょうか?

「めざまし8」は日本の感染者激減をめぐる、専門家の分析を取り上げました。

「一通りまん延」「増減が2カ月サイクル」激減めぐる“仮説”

実は今、海外メディアも日本の感染者現象を「謎の激減」として取り上げて分析しています。リサーチを進めると、様々な「説」が論じられていることが判明。

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仮説1「一通りまん延」

まずは1つ目の仮説。「一通りまん延」。

この仮説は英・エディンバラ大学 疫学者 マーク・ウールハウス教授が唱えています。

“一定の人”の間で感染し終えた、感染力の強いデルタ株は急速にまん延したがゆえに、急速に収束したという説。

従来株だと、1人が感染させる人数が2.5人と言われていました。しかし、デルタ株は感染させる人数が5から9人に急増。より多くの人に感染を広げるため、一定の間で感染し終えたとの見方をしています。

仮説2「感染の増減は2カ月サイクル」

2つ目の仮説は、「感染の増減は2カ月サイクル」というもの。

この仮説は米・「ニューヨーク・タイムズ」紙が報じました。

減少の理由は解明できていませんが、新型コロナウイルスの感染者数は2カ月間増加し、2カ月間減少していて、“不思議な2カ月のサイクル”があると指摘。

国により感染対策も違いますし、行っている政策も違う点はありますが、実際にアメリカ・ドイツ・日本のグラフを見ていくと共通点があることがわかります。

アメリカは、2020年11月から1月にかけて2カ月で感染者が急増。その後およそ2カ月かけて減少しています。

さらに、2021年6月の中旬から8月の下旬にかけて再び増加、その後10月にかけて減少していることがわかります。

こちらはドイツ。

2020年11月から2021年3月上旬にかけて、2カ月で感染者が増加し、2カ月かけて減少。そして、3月上旬から4月下旬にかけ再び増加し、7月上旬にかけて減少と、こちらもやはりおよそ2カ月周期となっています。

そして、日本のグラフを見てみると…

2021年3月に増加、6月中旬に減少。さらに、第5波8月下旬に増加し、現在10月に減少しています。日本も同じように2カ月で増加して2カ月で減少するサイクルを繰り返していることが分かります。

さらに、「感染の増減は2カ月サイクル」説では、“季節”が1つの大きな要因になっています。日本もアメリカもドイツも夏と冬に感染拡大が多いのです。

昭和大学医学部二木芳人氏によると、やはり季節的要因は考えられるといいます。

その理由として、夏冬というのは窓を開けづらく、換気がしづらい状況になり、一方で春秋は屋外に出たり換気したりしやすいということで、そのあたりが季節性要因になっている可能性があるというのです。

そうなると、冬に再び感染が拡大し第6波になるという見方が出てきますが、福島・相馬市新型コロナワクチン接種メディカルセンター長の渋谷健司氏は、こう話します。

福島・相馬市新型コロナワクチン接種メディカルセンター長 渋谷健司氏:
第6波はたぶんくると思うんですよね。季節性要因や今までの傾向からすると10月の終わりから11月くらいまでには始まるんじゃないかと。ただ、ワクチンをちゃんとやっていくことと、検査体制、病床というものをいま準備しておけば、大きな波でも乗り切れる。それを乗り切ると、比較的明るい兆しが見えるんじゃないかなと思うんですけれども

感染が減少傾向にある日本。

「感染の増減は2カ月サイクル」も念頭に置きつつ、第6波の拡大を抑える策が求められそうです。

(「めざまし8」10月12日放送より)