SDGsが採択された9月25日を含む約1週間は、国連が定めるSDGs週間。
ターゲットの15番目「陸の豊かさも守ろう」の目標に対し、「木を育て」「加工し」「出荷する」までを一貫した町の産業としている、岩手・住田町の50年先を見据えた取り組みを取材した。

伐採したら植栽…50年かけて林をつくる

「森林・林業 日本一の町づくり」を掲げる住田町。町の面積の9割を森林が占め、林業は基幹産業。

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住田町 林政課・山田南美さん:
ここは樹齢26年、今年で26年になるスギ林です

町特産の「気仙杉」の森。住田町の場合、民有林のうち半分は人が手をかけた人工林で、計画的に育成・伐採されている。

住田町 林政課・山田南美さん:
出荷するまでに50年以上の時間をかけて育てている。ここは育っている途中

2020年、新たな木を植えたばかりという場所も案内してもらった。

野中翔記者:
一見して大きな木は生えていないように見えますが、次の世代の新たな木が育ち始めています

切り株の脇に細いカラマツが伸びている。森の命はこうして循環している。

住田町 林政課・山田南美さん:
切ったら切りっぱなしではなくて、また植栽をして、次の森を育てていく

木材を余すことなく加工

町では木を育て、加工し、出荷するまでを一貫した生業としている。木を貼り合わせる集成材などをつくる工場では、住宅用の製品として加工し、国内の大手ハウスメーカーへと出荷している。

また、製造の際に出るおがくずは、ストーブやボイラーの燃料のペレットに加工するなど、木を無駄なく使い切っている。

けせんプレカット事業協同組合・温秀輝さん:
端材が発生したら中国に持っていき、リサイクルして工場に戻ってくる。100%木材を利用している

こうしたことから住田町は、適切に管理された森林から作られた木材に与えられる国際的なお墨付き「FSC森林認証」を取得している。

循環型の林業へ取り組みを進める一方で、全国的な課題である従事者の減少は町でも深刻。過去5年間に、伐採の実績などがある個人事業者の数はこの5年で6割減った。(出典:農林業センサス)

それでも環境問題への関心が集まる中、森林保全に取り組む団体など支援の動きもある。

一般社団法人 more Trees・水谷伸吉さん:
東日本大震災の復興支援としてご一緒してきたことが、引き続き森づくりという形でご一緒している。都市部と森林が繋がっていけるか、活動を続けている

豊かな森を守り育てることは、これから先、地域を守ることにもつながる。

住田町・神田謙一町長:
脱カーボン。自然そのものに大きく寄与している。後世にも伝えながら持続的に環境を守り取り組みを進めたい

50年、そしてその先の未来へ、「森林・林業 日本一」への取り組みは続く。

(岩手めんこいテレビ)