インターネットで注文すると、その日のうちに商品が届く「即日配達」を行っている企業も増え、今では当たり前になりつつある。

こうした中、“その日のうち”ではなく、“注文してから10分以内”に商品を届けるスーパーが登場した。宅配専業のスーパー「OniGO(オニゴー)」だ。

その1号店が8月25日、東京・目黒区にオープンした。

OniGOとは(提供:OniGO)
OniGOとは(提供:OniGO)
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目黒区鷹番にある1号店は、配送可能エリアが店舗から半径約1キロで、スマートフォンのアプリから注文を受け付ける。注文してから10分以内に、店員が店舗から商品を配達する。

年中無休で営業時間は10時~22時。宅配料金は300円(税込)だ(9月末まで無料キャンペーン実施中)。

サービスの流れ(提供:OniGO)
サービスの流れ(提供:OniGO)

夕食を作っているときに「醤油が切れていた」「食材を買い忘れた」と慌てて、スーパーに買いに行ったことがある人もいるだろう。そんなときにも便利なサービスに思える。

それにしても「注文してから10分以内に配達」というのはインパクトがあるが、早く配達するためにどのような工夫をしているのか? また、もし10分以内に配達できなかった場合、どのような対応をするのか?

OniGO株式会社の担当者に話を聞いた。

食品や飲料、日用品などの購入が可能

――「宅配専業のスーパー」とは何?

来店型の店舗を持たず、アプリから受け付けた注文内容を指定の場所に配送することのみに特化したスーパーのことです。


――利用者はどのように商品を購入する?OniGOの基本的な仕組みは?

スマホのOniGOアプリから商品を選び、配送先を指定し、支払いをすると、10分以内に配達員がやってきて、商品を受け取ることが可能です。支払いはカードのみです。


――購入できる商品の品目数は?
 

今後、1000SKU程度まで拡充します。SKUというのは「Stock Keeping Unit」の略で、在庫管理をする際の最小単位のことです。

食品、日配品、冷凍食品、飲料、日用品などの購入が可能で、今後は、幅広い品揃えよりは売れ筋を揃えていくことに注力していきます。

商品のラインナップ(提供:OniGO)
商品のラインナップ(提供:OniGO)

10分以内に配達するための工夫

――配達の時間をなぜ「10分以内」と設定した?

日本の消費者における食料品購買行動を変えるには、全く新しく、圧倒的に便利な買い物体験を作る必要があり、10分というレベル感が必要と考えました。


――10分以内に配達するために、どのような工夫をしている?

「エリアの限定」と「商品のピッキングと配達に対するオペレーションの徹底とオペレーションに最適化されたシステムの構築」を行っています。

「エリア」については店舗周辺1キロ~1.5キロに限定をしております。サービスの流れとしては、注文を受けた後に、「商品を袋に入れるピッキング」と「配達するデリバリー」があります。

「商品のピッキング」に関しては、注文された商品が棚のどこにあるかが、まずスマホに表示されます。棚には全て番号が付与されています。棚のところまで行ったピッカーは商品をピックして、バーコードを専用のリーダーで読み込みます。

そうすると、間違った商品をピックアップしていないか、ということが全てスマホに表示され、ピッカーは、その表示を見ながら商品をピックすることで、効率的に商品を集めることができます。

商品のピッキング(提供:OniGO)
商品のピッキング(提供:OniGO)

「配達」に関しては、配達員はどの道を通ると一番早く目的地に到達できるか、ということを事前に社内で情報共有しています。

OniGOの配達員(提供:OniGO)
OniGOの配達員(提供:OniGO)

10分以内に配達できなかった場合の対応

――もし10分以上かかってしまった場合はどのように対応する予定?

ご注文の品を責任もって届けさせていただき、お詫びのお気持ちとして、粗品をお渡しさせていただきます。


――どんな「粗品」なの?

販売もしている「旬の蜜 りんご」というものになります。旬の時期に青森県産りんごの素材感を維持するために、そのままフリーズドライ加工、さらに、甘さを控えたホワイトチョコレートを中まで浸みこませ、りんごの素材感を活かした商品です。


――どのような方の利用を想定している?

メインは、日々、様々なタスクに追われている、子育て世代の母親、父親です。


――今後はどんな展開を考えている?

品揃えは順次、拡充。配送エリアも、年内25店舗を目標に拡大する予定です。


注文してから10分で商品を届ける、宅配専業のスーパー「OniGO」。今はの1号店のみで、配送エリアも限られているが、今後は店舗も増やす予定で配送エリアも広がっていくという。自分が住む場所が配送エリアとなったら、一度注文してみたいと思わせてくれるサービスだ。
 

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プライムオンライン編集部
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