あなたの「耳年齢」は実年齢より若いだろうか?

気になる「耳年齢」を手軽に調べられるパナソニック補聴器のWebサイトが、Twitterで耳目を集めている

PCで表示 出典:パナソニック補聴器
PCで表示 出典:パナソニック補聴器
この記事の画像(4枚)

サイトには1000Hzから19000Hzまでのボタンが10段階で並んでおり、これを押すとそれぞれの周波数の音が「ピーピーピーピー」と再生されるのだ。合わせて、高い周波数のボタンには、20代から60代の「耳年齢」の目安が記されている。

一般的に人の聴力は年を取るにつれて高い周波数の音が聞こえにくくなるとされ、これを利用して「耳年齢」をチェックしているわけだ。

スマホやタブレットでも使える(出典:パナソニック補聴器)
スマホやタブレットでも使える(出典:パナソニック補聴器)

なおチェックする場合だが、いきなり周波数ボタンを押すのは、スマホやPCなどの再生環境や音量によってはかなり耳障りな音が鳴るので注意してほしい。サイトにも書かれているように、まず右下にある「人の音声」ボタンを押して、声が聞こえることを確認してから、耳年齢を測定するのがお勧めだ。

このサイトは補聴器の普及促進ツールとして2020年1月に制作して公開された。それが今年8月に、あるTwitterユーザーが、「20代の音が自分には聞こえないのに子供には聞こえる」と投稿したことをきっかけに注目を集め、9月9日の時点で3万4千のいいねが付くなど話題となった。

またこのツイートへのリプライに、再生する機器の違いで音が変わることを指摘する声もあった。どの機器を使えばベストな状態なのだろうか?そして、耳年齢を若く保つコツはあるのか?

パナソニック補聴器の担当者に聞いてみた。

元々は販売店で使うツールとして公開

――このサイトを作った狙いを教えて。

加齢による聴力低下は誰にでも起きることであり、現在は聞こえに不自由を感じていない方やご家族の方を含め、聞こえの変化に関心を持っていただくことを目的としています。当初は、広く一般の方に向けて公開した意図はなく、主に販売店において、iPadを使って対面で試聴いただくことを想定していました。


――利用する際には、スマホやPC、イヤフォンやスピーカーなどはどれを選べばいいの?

こちらはiPadで再生することを想定して設計しました。iPadのボリュームを約40%に設定し、静かな環境でスピーカから50cm程度離れた所で聞くと意図した音量となります。
 

高い音から聞こえにくくなる原因と対策

編集部では過去に、「2000年から20年間に、40代以下の日本人若年層で、高音部(4000ヘルツ)の聴力が徐々に低下している」として、調査した研究グループに取材したこともある。

(参考記事:40代以下の聴力が最大20歳“老化”…原因はイヤホン使用? 今からできる対策を耳鼻科医に聞いた

聴力が衰える原因はなんなのか?さらに対策についても聞いてみた。

――高い音が聞こえにくくなる原因は?大きな音を聞くことがいけない?

耳の中で、高い音を感じる部分は低い音を感じる部分よりも入り口側にあり、高い音を感じる部分の方が早く傷んでくるため、高い音から聞こえにくくなってきます。一方、大きな音を聞くことによって聴力が低下することは知られていますが、こちらは上述の高い音から聞きにくくなる現象とは別のものです。


――耳年齢の衰えが早い人や補聴器を必要とする人は増えている?

必ずしも耳年齢が難聴を示すわけではありませんが、高齢化の進行にともなって補聴器を必要とする人は増えています。


――聴力を保つ対策を教えて。

耳を守るため、音楽などを聴くときにはボリュームを上げすぎないように注意してください。治療によって改善する難聴もありますので、聞こえに不安があるときには専門医の受診をお勧めします。


――今回、Twitterで話題になったことをどう感じている?

反響の大きさに戸惑いながらも、多くの方に聞こえに関心を持っていただけたことを喜ばしく感じています。社会的意義を改めて認識するとともに、より伝わりやすい内容に更新し、補聴器の普及に繋げてまいります。

50代の筆者が試してみたところ、静かな環境でイヤホンを使って音量を調節すると、なんとか30代の音は分かった。もっとも、これは推奨される測定の仕方ではない。
耳年齢、耳の健康が気になる人は試してみてはいかがだろうか。
 

【関連記事】
“手指がしびれる”病気をスマホゲームで早期発見…研究者「専門医の診察と同等以上の精度」
携帯番号「090」はおっさん!? 新たな“おじさん認定”にショックの声…番号の割り当て方を総務省に聞いた

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。