豊かな自然が魅力の福島・昭和村に茨城県から移住した男性は、耕作放棄地を再生。親子二人三脚でコメ作りに励んでいる。
その姿に心を動かされた人により、男性が育てた酒米で日本酒が造られることになった。

茨城県から昭和村に移住…親子で耕作放棄地を再生

福島・昭和村の耕作放棄地を再生しようと作業を進める戸頃康弘さん(55)は、2020年1月に茨城県から移住した。

戸頃康弘さん:
(昭和村には)本当の日本の昔ながらの生活が息づいていて、日々 昔ながらの生活に接することができるのが最大の魅力、移住したいと思ったきっかけ

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豊かな自然が魅力の昭和村。
一方で高齢化は深刻で、増加した耕作放棄地は村の課題の一つとなっている。
戸頃さんは、かつての田んぼが広がっていた風景を取り戻そうと、3.2haの耕作放棄地を借り受けて再生し、食用米と酒米を作付け。
農業の経験はなかったが、村民などに教えてもらいながら、自然が好きな息子の陽一郎さん(26)と二人三脚でコメ作りに励んでいる。

戸頃陽一郎さん:
農機具を操ったり、農具をいじったり、農業全般がやりたいです。毎日こうやってやらせてもらえてるので、すごいやりがいがあります

昭和村の自然を本業に生かすことも視野に

山岳ツアーなどを手掛ける旅行会社を経営する戸頃さん。
今はリモートワークが中心で、茨城県にある会社には週に1回ほど、昭和村から出社している。
将来的には、昭和村の魅力あふれる自然を本業にも生かしたいと考えている。

戸頃康弘さん:
ロケーションを生かしてグリーンツーリズムから、近隣の学校・教育機関にアプローチして、マイクロツーリズムとか

購入した古民家ではネコとイヌのほかにニワトリ、そして、たまに逃げてしまうヤギも一緒に暮らしている。

戸頃さんの妻の英子さんは茨城県で生活を続けているが、戸頃さんの移住は応援していて、時折、村を訪れては田舎暮らしを楽しんでいる。

戸頃英子さん:
快適です。こういうスタイルも

戸頃康弘さん:
良いんじゃないですか、亭主元気で留守が良いで

戸頃英子さん:
私がこっちに来ると、上げ膳据え膳でゲストでいられるので

育てた酒米を日本酒に…世界に昭和村の魅力発信へ

昭和村を愛し、耕作放棄地の再生にも取り組む戸頃さんの姿に引き寄せられた人もいる。
村からほど近い、南会津町の酒蔵「花泉酒造」。
2021年に収穫する戸頃さんの酒米で、日本酒を造ることになった。

寒暖差が大きい昭和村はコメ作りに適しているため、品質の高い酒米の収穫が見込まれること。
そして何より、耕作放棄地を再生してコメ作りに挑む戸頃さんの姿勢が蔵元の心を動かした。

花泉酒造・星誠代表社員:
普通じゃ考えられない。経験がないところから、イチからスタートされて、感動したというか、一緒に酒を造りたいと

製造する日本酒は一升瓶で2,200本。そのうちの3分の1はイギリスなどに輸出する予定で、昭和村の魅力を世界に発信する機会になると意気込んでいる。

戸頃康弘さん:
日本に素晴らしい場所があるということを、海外の人にも酒を通じて知っていただいて。外国人が普通に村の中を歩いているような環境になれば良いかなと思っています

耕作放棄地を再生して育てた酒米で醸す、思いの詰まった酒。2021年11月に仕込みを始め、2022年の年明けに完成する予定。

(福島テレビ)