「まん延防止等重点措置」適用の中で迎えた2度目の週末、高知の街中は自粛ムード。そんな中、休館を利用してより充実した展示に向け準備を進める、高知市の桂浜水族館の裏側を取材した。

「365日営業」が売りの水族館も休館中 

不要不急の外出自粛が要請され街が静まり返る中、「まん延防止」後に向け準備を進めている桂浜水族館。

「365日営業」を売りにしているが、措置を受けて2020年の4~5月以来、戦後2回目となる休館をしている。

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桂浜水族館・秋澤志名館長:
うちは365日営業なので。日頃できないことを積極的にできたらと思っている

館内をまわると、水槽の中に入る飼育員の姿があった。

桂浜水族館が打ち出したのは、飼育員の展示ではなく「水槽の掃除」。営業中にはなかなか見られない光景だ。

ウミガメがひしめくプールの水を全部抜いて、掃除をする計画もあるという。

そんな桂浜水族館に9月5日、新しい魚が入ってきた。

新たな仲間を迎え迫力ある水槽に!「かっこいい魚」とは

桂浜水族館・浦河大輝飼育員:
完ぺきです。モデルの集まりみたい。かっこいいっす

「かっこいい」という魚がとれたのは、桂浜からはるか100kmほど離れた東洋町の沖合。午前5時すぎの甲浦漁港。桂浜水族館のスタッフが、トラックにとれたての魚を積み込む。

桂浜水族館は、昔から高知県内の漁師に展示用の魚の提供を依頼していて、この日もサバ・アジ・カマスなど、ピチピチの魚がたくさん。

しかし、今回の本命はこの船底にいる“ヌルヌル”のある生き物…。

午後1時、桂浜水族館に東洋町の魚たちが到着した。そこでバケツに移されたのが、今回の本命「ウツボ」だ。

ウツボの展示は、穴に入る習性が観察できると桂浜水族館でも人気。今回、ウツボ水槽をさらに迫力あるものにしようと、数を増やすことにしたのだ。

桂浜水族館・浦河大輝飼育員:
結構でかいですよ、やっぱり。僕らもウツボを展示するために採集に行ったりするんですけど、それで釣れるのより、はるかにでかい。やっぱ、漁師さんはすごいです

5日はウツボをはじめ約15種類、150匹が運び込まれた。ウツボは漁師に20匹依頼していたが、結果的に取れたのは想像以上の30匹だった。

桂浜水族館・高谷尚司チーフ:
いや、その…いっぱいとれたな。いざ大にぎわいになると、迫力が。ウッとなる

海から運ばれた魚はいきなり展示の水槽に入れず、バックヤードでしばらく飼育する。

桂浜水族館・浦河大輝飼育員:
とりあえず今は元気だが、魚はすぐに傷が出てくるわけじゃない。何日かして傷が出てくることもある。なので薬浴をしたり、寄生虫がついていたら落として展示する

“海のギャング”の異名を持つウツボ。扱いに慣れた飼育員は、「恐ろしくも賢い」と評する。

桂浜水族館・高谷尚司チーフ:
攻撃を受けたと感じたら、明確に攻撃をしてくるところも賢さの表れ。非常に歯が鋭くて、シャッと噛まれた感じでもザックリ切れる。見かけた際、釣ってしまった際は、気をつけて取り扱ってください

大迫力の“ギャング集団”となるウツボの展示は、休館明けには見られるとのこと。

(高知さんさんテレビ)

高知さんさんテレビ
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