新型コロナウイルスの影響で来園客が減少し、感染対策から休園も余儀なくされている動物園や水族館。こうした状況に負けず、動物たちの姿を見てもらおうという取り組みが進んでいる。

生まれたばかりで“かわいい盛り”なのに…

ふわふわの羽毛に包まれ大きな瞳がかわいらしい、フラミンゴのヒナ。水から上がると…

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花村枝里リポーター:
親鳥に守られるようにヒナがいます。もうすっかり大人顔負けの足の長さです

2021年に福岡県久留米市の鳥類センターで生まれたフラミンゴのヒナ。8月23日までに3羽のヒナが生まれ、本来はかわいい盛りの時期なのだが…

2021年に生まれた3羽のフラミンゴのヒナ
2021年に生まれた3羽のフラミンゴのヒナ

久留米市鳥類センター 広報・高山しのぶさん:
9月12日まで臨時休園の期間が延長になりました

鳥類センターは8月10日から臨時休業。

生まれたばかりのフラミンゴのヒナを見てもらえないことはもちろん、ペンギンの命名式も中止となり、園内の動物たちもどこかさみしげな表情…。

臨時休業で動物たちもさみしい?
臨時休業で動物たちもさみしい?

コロナに負けず 動物の様子を週4回投稿

こうした状況でも動物の様子を伝えようと力を入れているのが、SNSでの情報発信だ。

久留米市鳥類センター 広報・高山しのぶさん:
実際に来て動物たちを見ていただくことができないので。その分、できる限り短いスパンで、SNSで皆さんに園内の状況を見てもらおうと、発信回数を増やすようしています

久留米市鳥類センター広報・高山しのぶさん
久留米市鳥類センター広報・高山しのぶさん

高山さんによると、コロナ感染拡大前は週に1~2回ほどだった投稿だが、今では週4回ほどに増えているそう。特に力を入れているのは、普段見られない動物の様子を紹介することだ。

これは、フラミンゴのヒナが立ち上がる様子を捉えた貴重な動画。めったに座らないため、なかなか観察できない姿を見られるのは、長時間園内にいるスタッフだからこそだ。

久留米市鳥類センターのTwitterより
久留米市鳥類センターのTwitterより

SNS効果でリピーター増加 「落ち着いたら行きます」の声も

こうした取り組みは、山口県でも行われている。

2匹のスナメリが吐き出したのは、泡の輪っか「バブルリング」だ。管から出る空気を上手に吸って作っている。

スナメリの「バブルリング」
スナメリの「バブルリング」

8月21日から臨時休館となっている下関市の水族館「海響館」では、スナメリの特技を披露するイベントも2020年6月から中止が続いている。

しかし、海響館ではスナメリの日々の特訓の様子を熱心に投稿。投稿を見た人からは、「自由に旅行できるようになったら行きます」などコメントが相次ぎ、5万回以上再生される反響ぶりとなった。

Instagramより
Instagramより

美祢市の「秋吉台サファリランド」では、2021年に生まれたトラの赤ちゃんをはじめ、さまざまな動物たちの様子を投稿している。ひとつひとつのコメントに担当者が返信を心掛けたことで、フォロワー数は見る見るうちに増加した。

秋吉台サファリランドのTwitterより
秋吉台サファリランドのTwitterより

秋吉台サファリランド・吉村慎也次長:
今はフォロワーさんが13万人弱ぐらい。フォロワーさんの中でリピーターが増えた感じはある

福岡をはじめとした県外からの客足の鈍りに、コロナの影響を感じる一方、自家用車で園内を散策できることもあり、山口県内からの客は増加傾向に。

その中には「SNSを見て来た」と話す人もいるという。

秋吉台サファリランド・吉村慎也次長:
(SNSを見て)動物はおもしろいなと、さらに動物を好きになってもらって。コロナが落ち着いたら、ぜひ遊びに来てもらいたい

動物たちの新たな魅力も発見できるだけでなく、コロナ後も見据えた各園のSNSの取り組み。自由な移動が難しい中、SNSは園と客をつなげている。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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