自分にぴったりの靴を選ぶのは意外にも大変。ましてや子どもの靴を買う時では、試し履きしてもらった靴のつま先部分を押してサイズ感を確認した人もいることだろう。そんな子どもの靴を選ぶ大変さを解決した“お試し用シューズ”が話題になっている。
3歳の息子さんの母親であるnicoriさん(@naninunenicorin)がTwitterに投稿したのが、ホームセンター「カインズ」に置かれている“お試し用シューズ”。
このお試し用シューズは、普通は生地で覆われて見えなくなっている部分が透明な塩化ビニールでできており、履いた本人だけでなく、親なども見ただけでサイズ感が確認できるようになっているのだ。

nicoriさんは、新学期前ということで陳列されているのを、通りすがりに見つけたのだそう。「息子がまだ3歳で足の状態を伝えることが難しいので、目で確認できてとてもありがたい工夫です」と話し、投稿でも「カインズさんは天才ですか??」とコメントするなど感激している様子だ。
カインズさんは天才ですか?? pic.twitter.com/L82P5EgBGX
— わくちんnicori (@naninunenicorin) August 22, 2021
Twitterでも「配慮が素敵です」「これは賢い」と親たちからの称賛のコメントが寄せられ、中には「透明なのが欲しいなぁ」と商品化を願う声もあり、2万以上のいいねがつく話題となっている(8月27日時点)。
確かにこの透明なシューズがあれば、親がサイズ確認しやすいだけでなく、子どもが飽きる前に選ぶことができ、親子ともにうれしい工夫だろう。

ではこのお試し用シューズは、いつ頃からどのような経緯で置いているだろうか? カインズの全店舗にあるのだろうか?
株式会社カインズのオフィス家庭用品部の大森豊さんに話を聞いた。
上履きのメーカーの特注品
ーーいつ頃、どういった経緯で“透明なお試し用シューズ”は置かれているの?
お子様が試着した際に、実際にどれくらいスペースが余っているか、親御さんからはわかりにくく、「見えたほうがサイズが選びやすい」という意見から設置を決めました。かれこれ10年前だったと思います。
ーーどこの店舗にも置いてある?
ほとんどのお店には扱いがあり、見本も置いております。ただ、小規模店舗等、一部の店舗は置いていないこともあります。扱いがあるのは上履きのみで、15~26センチまでの片足のサンプルを置いています!

ーー店舗スタッフが作っているものなの?
本部で上履きのメーカーさんに特注して、店舗に振り分けをしています!そのため、定期的に入れ替えています。
ーー本物と履き心地を変えないための工夫は?
透明部分以外は、製品と同じ作りとなっていますので、履き心地に差が出ません。
「作った甲斐がありました」
ーーお試し用シューズを使って上履きを選ぶときのポイントを教えて。
成長期のお子さんにピッタリすぎるサイズを購入すると、履いているうちに窮屈になったり、すぐに買い替えが必要になる場合がありますので、そのあたりも考慮していただきながらサイズを選んでいただくのが良いと思います。低学年のお子さんは特に、ワンサイズ(0.5センチ)くらい大きいサイズを選ぶのがおすすめです。

ーー実際に使っている姿は見かける?
売り場でよく活用しているお客様がいらっしゃいます。使っていただき本望です。作った甲斐がありました。
ーーSNSで「素敵な工夫」「欲しい」と話題になっているが、それにはどう思う?
以前から売場には設置していたので、今このタイミングで取り上げられて逆に驚きました。商品化に関して、現状はございませんが、これを受けて検討させていただきます。
ーー店舗拡大や上履き以外も作られたりと、今後の更なる展開は考えている?
基本的には、上履きを販売している店舗にはすべて導入しております。カインズでは今の所は横展開の予定がないのですが、沢山のご要望があれば検討したいと考えています。

透明なお試し用シューズは、客の意見を取り入れ、より合った物を選んでほしいという配慮から10年ほど前に誕生した特注品だった。
足は成長するのに合わせ、大きくなっていく。このシューズを試すことで、ピッタリすぎるサイズを購入してすぐ買い替えるといった心配も少なくなるのではないだろうか。
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