夏も楽しめる「アウトドアサウナ」が、長野市戸隠のホテルにオープンした。

企業も熱い視線を送る、近年のサウナブーム。県内企業の技が生かされた「オール信州製」のサウナの魅力に迫った。

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「木に囲まれてリラックスできる」地下水をくみ上げた水風呂も

利用客:
いい匂いしてきた。醍醐味だよね

2人が楽しむサウナが設置されたているのは、高原のど真ん中。長野市の戸隠高原ホテルに7月にオープンしたアウトドアサウナだ。

ホテルは2020年、新型コロナウイルスの影響で客足が例年の1割ほどに減少。

そこで利用客を伸ばそうと、人気のテントサウナを導入した。アウトドアサウナはその第2弾だ。

戸隠高原ホテル・松野功社長:
結果的に好評だったので、もう少しいいサウナをつくって集客を見込めればなと思いまして。思い切ってつくりました

長野市の戸隠高原ホテルにオープンしたアウトドアサウナ
長野市の戸隠高原ホテルにオープンしたアウトドアサウナ

さっそく、重盛キャスターがアウトドアサウナを体験してみることに。

重盛赳男キャスター:
とっても広い空間で、優しい熱がストーブから伝わってきています

サウナ小屋は4人ほどが入れる大きさ。汗を流したら水風呂へ。

地下水をくみ上げた水風呂もあり、夏も爽快にサウナが楽しめる。

最後は外気浴。

重盛赳男キャスター:
お~風がものすごく気持ちいいですね!

このサウナ、実はあるこだわりがある。

戸隠高原ホテル・松野功社長:
ズバリ、信州産でつくっているところです

小屋もストーブも「メイドイン信州」。

利用客:
木で覆われているだけでも、すごくリラックスできる

利用客:
ロウリュした時に蒸気の広がりって結構大事で。ストーブと小屋の熱の広がりがちょうどよくて、足まで温まっていいですね

サウナ愛好家という2人も太鼓判の心地よさ。

着火からすぐに温度が上がる 特許技術を応用したサウナストーブ

戸隠高原ホテル・松野功社長:
こいつは恐ろしい火力ですよ

火の「立ち上がり」が早く、すぐにサウナの中が温まるストーブ。

作ったのは千曲市の「モキ製作所」。街の鍛冶屋から出発し、今は燃焼器やゴミ分別機を製造するメーカーだ。

レトロな見た目のサウナストーブ「茂暖(もだん)」は、鋼板の頑丈なつくりで、針葉樹や枯れた竹など、通常のストーブでは使えない木材も燃料にできる。

重盛赳男キャスター:
それを可能にしているのは?

モキ製作所 製品開発部・杉村貴史部長:
やっぱり中の「茂木プレート」。これですね

モキ製作所が製造したサウナストーブ「茂暖」
モキ製作所が製造したサウナストーブ「茂暖」

製作所が特許を持つ、穴の空いた板「茂木プレート」を応用した構造で、熱と煙がストーブ内で対流し、燃焼を繰り返す。

これにより、高火力と無煙化、そして火の立ち上がりの早さを実現させている。

2020年10月の発売から、すでに全国で約50台が売れた。

モキ製作所 製品開発部・杉村貴史部長:
あるユーザーさんから、「モキさんなら最高のサウナストーブをつくれる」「かっこいいストーブをつくってください」というメッセージをもらったので、「よし、つくろう」と企画を始めました。国産のサウナストーブは、当時はほとんどなかったと思いますね。(利用者の声は)着火してから温度が上がるのが早いというのと、炎がよく見えてすごく癒やされるということが多いですね

50近い特許を持ち、独自の技術で商品開発をするモキ製作所。根底にあるのは、環境にやさしい「ものづくり」だ。

モキ製作所 製品開発部・杉村貴史部長:
これだけ森林に囲まれた長野県なので、そういったところの有効利用を考えた商品づくりというのは意識しています。「環境に優しい」というところと、「世の中にないものを」というところを常に意識して、これからもつくり続けたいと思います

地元ログハウスメーカーが作った初のサウナ小屋

続いて、サウナ小屋を作った飯綱町の「土倉製材所」へ。

サウナ小屋を作った長野市飯綱町の「土倉製材所」
サウナ小屋を作った長野市飯綱町の「土倉製材所」

最初は名前が示す通り製材所だったが、ログハウスメーカーへと発展し、施工実績は全国で約750棟にのぼる。

その一つ、長野市の豊野高等専修学校の校舎は、全国コンテストでログハウス大賞を受賞した。

 
 

土倉製材所・土倉裕太郎社長:
(木は)使ってもまた大きくなってくれる資源だと思うんですよね。そういうものを使った「ものづくり」って、大事にしていった方がいいんじゃないかなと

サウナ小屋をつくるのは初めてだったというが…

土倉製材所・土倉裕太郎社長:
私もサウナ好きだったから、「ぜひやってみたいですね」ということで

木材のマツはサウナの本場、フィンランドから輸入。

ドアの周りにあえて隙間をつくり、デザインを損なわずに空気を取り入れたり、寒冷地に強い木材の組み方で耐久性を高めたりと、こだわりの造り。

土倉製材所・土倉裕太郎社長:
木に包まれているという感じが出せたらいいなと思って、それをこだわってつくらせてもらった。あれを見て、どんどんサウナ小屋の注文が来れば一番いいんですけどね

重盛赳男キャスター:
社長はそのサウナにもう入った?

土倉製材所・土倉裕太郎社長:
まだ入ってないんです。これから行って試してみます

ビジネスチャンスを広げるサウナブーム。この夏、信州の「ものづくり」の技が生かされたサウナで、身も心も整えてみてはいかがだろうか。

(長野放送)

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