クラスター発生により感染者が急増 3月中旬以降は“ほぼ連日”

2021年7月29日、岩手県内で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認された日から1年が経った。

全国では1日の新規感染数が過去最多を更新し、「第5波」といわれる中、県の新型コロナウイルス感染症対策専門委員会の櫻井滋委員長は「意識を1年前に戻してほしい」と県民に強く呼びかけている。

県専門委員会・櫻井滋委員長:
(感染は)池の水に水滴が落ちるように徐々に広がっていくもので、本質的にその「波」が来ている。東京でその波が起こったらすぐに備えなければならない。向こうが緊急事態宣言ならば、14日もすれば(余波が)来る。その対応を取らなければならないのが本来の姿

県専門委員会・櫻井滋委員長
県専門委員会・櫻井滋委員長
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中国・武漢から広がった新型コロナウイルス。岩手県内では、7月29日時点で1962人の感染が確認されている。

岩手県・達増拓也知事:
本日、本県において初の新型コロナウイルス感染症の患者を確認した

達増知事の会見(2020年7月29日)
達増知事の会見(2020年7月29日)

県内で最初の新型コロナウイルスの感染者が確認されたのは、2020年の7月29日だった。県内の患者数の流れをグラフで見ると、10月までは大きな感染の広がりは見られなかったが、11月以降に一転した。

3月中旬以降、感染者数は増加傾向が続いている
3月中旬以降、感染者数は増加傾向が続いている

飲食店や医療機関でのクラスターが発生し、一気に増加した。その後、2021年2月に一度は減ったが、3月中旬以降はほぼ連日、新たな感染者の確認が続いている。

看護系の専門学校生:
(学校から原則)県外に出てはだめと、気を付けてはいる

専門学校生:
普通ではないが、コロナがある普通の生活はできているのかな

収束の見通しが見えない中、全国の新規感染者数は7月28日に初めて9000人を超え、「第5波」とも呼ばれる感染の拡大が起こっている。

ワクチンの効果はあくまで重症化を防ぐもの

こうした中で切り札として期待されているのがワクチンだ。県内では7月26日までに78万回の接種が実施され、人口の4割に当たる47万人が少なくとも1回の接種を受けた。

 
 

県民:
早く予定通りに進んでほしい。次かと思い待っているので

県民:
2回目の接種も終わった。必要最低限な場所にしか外出しないようにしている

しかし、櫻井委員長は「ワクチンの効果はあくまで重症化を防ぐもの」と説明。

県専門委員会・櫻井滋委員長:
感染を防ぐ効果は、ほぼないと考えてください。ワクチンを打っている人、二度打っている人でもすでに感染した人が県内で確認されている。かからないためではなく、亡くならないための薬

「ワクチンには感染を防ぐ効果はほぼない」と話す櫻井委員長
「ワクチンには感染を防ぐ効果はほぼない」と話す櫻井委員長

今心得ておくべき「い・き・る」のキーワード

従来のウイルスより感染力が1.9倍強いとされるデルタ株が県内でも確認される中、櫻井委員長は「未知のウイルスを恐れていた1年前に立ち戻ってほしい」と話す。

従来のウイルスよりも感染力が高いデルタ株
従来のウイルスよりも感染力が高いデルタ株

県専門委員会・櫻井滋委員長:
(取るべき対策は)実は何も変わっていない。1年前に気を付けてもらおうとしたことが、今も通用する。「手の消毒薬を買ったが使っていない」など、そうしたことを見直して、一つ一つ確実にしてもらう

県専門委員会・櫻井委員長
県専門委員会・櫻井委員長

その上で、今必要な心掛けとして、「い・き・る」という言葉を提唱している。

県専門委員会・櫻井滋委員長:
基本は「い」つものように生活してもらうこと。レジャーや遠くに行くという特殊な動きをなるべく抑えててもらう。「き」は基本に則って。手洗いやマスク、人から離れるという基本を守る。「る」はルールに従って。ワクチンの接種など、しっかり守ってもらう。

あと1年のうちに、マスクを外して生活できる状況に至ると思う。これは誰かがするのではない。1年前に立ち戻ってもらい、やり直しをすることが求められている

(岩手めんこいテレビ)

岩手めんこいテレビ
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