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筆ではなくエアブラシで色を付け描く

愛知県春日井市に、日本画の世界では珍しい抽象画を描き続けている39歳の男性画家がいる。和紙に岩絵の具で描かれるその作品は、日本画の世界に新しい風を吹かせている。

5月、名古屋栄の「ジルダールギャラリー」で画家・山田雅哉さん(39)の作品が展示・販売された。コンセプトは「初夏の風」。

女性客A:
いろいろな色を取り入れていて、見ていてすごく楽しい気分になる

女性客B:
すごいキレイだなと思って。このキレイさは、ただ者では出せない色なんだなと思いましたね

水の流れ、風の匂い、音の響き…。どれも目に見えないものを表現した作品だ。

春日井市にある山田さんのアトリエ。

山田さんはここで毎日10時間、絵を描いている。筆ではなくエアブラシで色を付け、描き続けている。

共感覚を生かし、新しい技法で描く抽象画

子供の頃から絵が好きだった山田さん。愛知県立芸術大学で「日本画」を専攻し、博士号を取った。山田さんには特別な感覚がある。

山田雅哉さん:
(他の)みんなも見えるというか、感じると思っていたんですが、音楽を聞いたときに色を感じるんですね。言葉を聞いたときも色とかカタチを感じるんです

「共感覚」。音や言葉に色がついて見える感覚で、ダヴィンチやゴッホも持っていたといわれている。

山田雅哉さん:
この英単語は赤いなとか、この単語は黄色っぽいなとか、数字は何色だなとか…。「ま」の色がほしいって、絵具の中から、くすみ具合とかが「ま」っぽいもの探して…

使うのは、鉱石を砕いて作られた伝統的な「岩絵の具」。群青、若葉、茜色など、2000色以上ある。例えば、青1つとっても岩の粒子の大きさによって色味が違う。

そして、山田さんは自身で考案した新しい技法を用いて描く。

「墨流し」という伝統的な技法を応用した「新案・墨流し」。絵の具を水に垂らし、紙の上を滑らせて描く。筆では描けない線を水の流れで表現した。

山田雅哉さん:
現代アートとか、「現代を生きる自分の作品」だと思って、日々作っています

日本画と現代アート。2020年、山田さんは音楽家とコラボした映像作品に参加。日本画の可能性を広げている。

描くことは生きること…画がある生活で暮らしを豊かに

山田さんはアトリエだけでなく、自宅でも絵を描く。2020年に始めたパステル画は、1枚描くのにわずか10分。絵のトレーニングとして、ほぼ毎日描いている。

大学で知り合った妻の瑠芙菜(るうな)さんは、山田さんの絵が好きで結婚した。

日々近くにいる瑠芙菜さんは、夫の雅哉さんについて「絵を描くことが、すなわち生きること。そんな毎日を過ごしている人」という。

「家に自分の作品を置いてくれて、ふと目にした時に気分が上がったりしてくれたら嬉しい」

山田さんは、自分の作品でみんなの暮らしを豊かにしたいと考えている。

(東海テレビ)