東京都に4度目の緊急事態宣言が出されることが決まった。お盆をまたいで8月22日までという長い宣言期間に、飲食店からは悲痛な叫びが相次いでいる。

東京4度目の“宣言”決定 お盆直撃…夏休みどうなる

7月8日午後5時すぎ、総理官邸で開かれた政府対策本部。

菅義偉首相:
緊急事態宣言を東京都を対象に発出し、また沖縄県については延長することとし、期間を8月22日までとする。

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菅首相が緊急事態宣言の発令を表明したのとちょうど同じ頃、東京では新たに896人の感染が確認された。東京の新規感染者は先週木曜日から223人増え896人。増加のペースは上がっている。

その東京に出される4度目となる緊急事態宣言。沖縄県の宣言延長も決まった。

まん延防止措置については、大阪・神奈川・千葉・埼玉は8月22日まで延長。一方、北海道・愛知・京都・兵庫・福岡は、7月11日の期限をもって解除する。

東京の宣言期間は、まん延防止措置期限後の7月12日から8月22日までと長期戦。オリンピック期間だけでなくお盆休みシーズンも直撃する。

政府関係者:
建前ではお盆だとか帰省だとか、そういう呼びかけだってしているけど、五輪のせいで感染拡大したって言われたくないから、前もって長めにかけているだけだよ。

スポーツバーに休業要請も 店主「お店の緊急事態」

まもなく始まる夏休みへの影響も避けられそうにない。

週明けからの緊急事態宣言で、政府は夏休みやお盆休みの期間にも、東京など感染拡大地域との移動自粛を呼びかけることにしている。

30代男性:
オリンピックが終わるまでの宣言だなって…意味がわからない

40代女性:
夏休みの予定は本当に立たないですね

10代女性:
オリンピックをやりたいという気持ちはわからなくもないですけど、普段の生活に影響が及びすぎている

また、前回の宣言と同様、飲食店には午後8時までの時短営業と酒類の提供停止が求められる。

さらにオリンピック期間を念頭に、田村厚労相はスポーツバーなどに休業を要請する考えを表明。自宅での観戦を重ねて呼びかけた。この考えに、都内のスポーツバーからは落胆の声が聞かれた。

スポーツバー Fields 田中守オーナー:
オリンピックで、もしかしたらちょっと潤うかなと思ったら…えっ!という感じですね。ショックです。まさにお店の緊急事態です、これは…

加えて政府は、緊急事態宣言地域などで酒類を販売する事業者に対し、いわゆる“禁酒破り”の飲食店と取引を行わないよう要請する考え。店からは、この対応にも疑問の声が上がった。

スポーツバー Fields 田中守オーナー:
そこまでするのであれば、コンビニエンストアでのアルコール販売も5時までとか(にしないと)。あまり変わらないんじゃないかと思う

「イット!」のスタジオではコメンテーターでジャーナリストの柳澤秀夫さんに話を聞いた。

加藤綾子キャスター:
再びの緊急事態宣言、またか…というのが正直なところでしょうか?

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
4回目ですからね。緊急事態宣言が出ても、オオカミ少年で聞く耳を持たないという人も中にはいるかと思うのですが、一定のアナウンス効果はあると思うんです。「ただならない状況ですよ」と。しかし、宣言に有効性を持たせるためにも、やはり経済的な負担を強いられる人たちに対する協力金の先渡しが可能となる仕組みを導入するとも言われていますから、それができるかどうかがカギになるような気がします

加藤綾子キャスター:
1カ月以上という長い期間になりますからね。先が見える対策などを示してほしいと思います

(「イット!」7月8日放送より)