自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家に寄せられたのは、こんなエピソード。

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簡単に手放してくれないときの対処法は…後半に続く!

「お気に入りでずっと手放さない毛布やぬいぐるみ。幼稚園にも持っていく!と駄々をこねられ、ダメだよ!と伝えると泣き顔に…」

「安心毛布」という言葉を聞いたことがある人も多いだろうが、子どもたちがずっと手放さない大切なアイテムたち。生まれたときから使っている毛布やぬいぐるみなど、大事にしてくれるのはいいのだけれど、お出かけにも持っていきたがったり、洗濯しようと取り上げると泣かれて困っちゃう……かわいいと思う半面、ちょっと大変な「安心毛布」、無理に“卒業”させるのはNG?
育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。

ママと離れる不安感を解消してくれるアイテム

――お気に入りの毛布やおもちゃを手放さない…これってどんな子どもゴコロ?

これは、心理学で「トランジショナル・オブジェクト(移行対象)」という名前がついている、れっきとした心理アイテムです。ぬいぐるみや毛布、ガーゼなどのフワフワした愛着用品がその対象になりやすいです。
と言っても、フワフワなものが全て「移行対象」というわけではなく、「この毛布にくるむとよく眠る」とか、「このぬいぐるみを抱っこするとご機嫌になる」のような、赤ちゃんにとっての安心材料になっているものが該当します。


――これって何歳ごろまで見られることなの?

生後6か月頃から3歳くらいまでというのがもっともよく見られる時期と言えます。しかし個人差も大きく、幼稚園の子でもよく見られますし、あとは肌身離さずとまではいかなくとも、大人になっても大事にそのぬいぐるみをキープしている人は意外と多いものです

6か月~3歳くらいに、なぜこのような現象が起こりやすいのかというと、この時期に子どもは親への依存度を大きく変化させるからです。

「洗いたいけれど洗うタイミングがなかなかない」のようなお悩みが挙がりますが、その子にとっては他のフワフワグッズとは位置づけが違い、不安や恐怖、寂しさを和らげる心理効果を発揮するのですね。

生まれたての赤ちゃんは、ママと自分を同化して捉えており、まさに依存度100%の時期。ですが、0~1歳代の成長の中で「自分はママとは違う1人の人間なんだ」と理解するようになります。母子未分化な状態から、だんだんと分化した状態へと感覚を移行させていくわけです。

そのプロセスは1人の人間としての成長に欠かせないものですが、当然ながらママと離れるのは不安が伴います。ママと離れてちょっと不安になると、そのぬいぐるみをギュッと抱きしめ、それで「自分は大丈夫だ」と安心する……。このように「特別なぬいぐるみ」の存在を使って、ママと離れている不安感を解消することがあるのです。


「安心毛布」とは、ママと自分自身が別の存在であることへの気付きと、それに伴う不安な気持ちを和らげてくれるアイテム。
子どものママへの依存度は「絶対的依存期(0か月~6か月)」「移行期(6か月~1歳)」「相対的依存期(1歳~3歳)」という3段階に分けて考える見方があるそうだが、この「移行期」にあたる年ごろから、ママと離れる不安感を解消するために「安心毛布」を手放さなくなることがあるのだという。

「洗濯できない問題」には代替えのアイテムを用意?

「安心毛布」を手放さない…という現象は3歳くらいまでによく見られるそうだが、それでは「幼稚園にお気に入りの毛布をもっていきたがる」というのは、そろそろ“卒業”させた方がいいの?
そして、家の中でも「お洗濯しないで!」と泣かれてしまうと胸がチクリとしてしまう…大切なアイテムを少しの間だけ預けてもらうにはどうしたらいいの?


――「もう○歳だから…」など、「安心毛布」は手放させた方がいいの?

私は海外生活が長いのですが、現地で子どもがキャンプや修学旅行などに行くときは、持ち物リストに“ぬいぐるみ”と書いてあることがよくあります。小学校の高学年くらいまで、書いてあった記憶があります。つまり、無理に取り上げるものではないというのが海外での考え方なのでしょう。

ただその頃には、赤ちゃんの頃のように四六時中一緒という存在ではなくなっているのが一般的で、夜寝るときだけベッドで一緒とか、本棚の上に飾っておくとか、年齢とともに、だんだんと距離を置くようになっていくものです。ですので、よほど依存が起こっていない限りは、心配する必要はありません。


――お洗濯のタイミングが難しい!「安心毛布」をサッと手放してほしい時は…

安心毛布は心理的に大事なアイテムではありますが、たしかに幼稚園に持って行ったりすると、なくしかねないですし、汚れてしまうこともあるでしょうから、工夫していきたいところです。

たとえば「幼稚園のときは小さいのにしようね」と代替えのアイテムを園バッグに入れるなどはいい方法ではと思います。
ただ、先述したように、移行対象というのは親があてがうものではなく、子どもが自然な流れでお気に入りを作っていくものなので、その代替え品を同様に気に入ってくれるかどうかは残念ながら親はコントロールできません。そのあたりが難しい部分ではありますが、試してみるのもいいかもしれません。代替えアイテムを探す場合は、手のひらに入るくらいのふわふわ系が一番適しているように思います。

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※改めて取材をさせて頂く場合もございます。

(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)