自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家に寄せられたのは、埼玉県の「ぽにちゃ」さんのこんなエピソード。

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実は夕方は「イライラ」しがちな時間だった?漫画の続きは後半で!

「小学2年生の息子。朝起きて学校に行く、帰って宿題をする、友達と遊びに行く…までは普通なのに、帰って来てからはとことん話を聞かないんです。夕食ができても席に座らない、テレビを消すと泣いて怒ることも…『今何する時間?あれやった?これやった?』毎日同じことを言って叱ってしまいます。疲れや体力の問題?親が想像できない、子どもなりの何かがあるの?」(投稿:埼玉県・ぽにちゃさん)

学校から帰って来て、夕方まではしっかり宿題をしたりと、いい子なわが子。でもなぜか夕方から突然、パパママの話を聞かなくなってしまう……
夕食ができても「なんで座らなくちゃいけないの?なんでテレビ消すの?どうして怒るの?」と言われてしまい、ついつい毎日言い合いに。

大人も仕事が終わって家に帰ったら、ちょっとダラダラしたくなるのは分かるけれど…夕方から突然ワガママになってしまうのって、どうして?育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。

夕方は「疲れが出やすい」「ストレスからの解放」のタイミング

――夕方からワガママになる…これって理由がある?

朝起きてずっと1日活動をしているため、夕方以降は、だれにとっても一日の疲れが出やすい時間帯です。子どもに限らず、疲れているとちょっとしたことにイライラしたり、カチンと来たりと、同じ刺激でも時間帯や疲労度によって感じ方は変わってくるものです。そういうとき、子どもの方が大人よりもストレートに外に出やすいため、疲労度が感情に直結しやすくなります。

あとは夕方になると、学校での緊張感がほぐれて開放的になっていることもあるでしょう。とくに学校でエネルギーを使っている子、学校のルールとご家庭のルールに大きな違いを感じている子は、その反動が出ているとも考えられます。


――時間帯と子どもの機嫌には関係があるの?

赤ちゃん時代の黄昏泣きなどはその典型でしょう。黄昏泣きはその名のとおり、夕方になると泣き出す現象です。生後2か月頃から見られ、生後5~6か月頃にはおさまっていきます。
あとは保育園、幼稚園、学校など、朝決まった時間に起きる生活の場合、睡眠時間が足りていないと、朝にぐずってしまったり、不機嫌になったりということはよく見られます。

逆に日中は、多くの子が機嫌よく過ごしていることが多いことからも、体内時計とのつながりは大きいように思います。


どうしても1日の疲れが出る夕方から夜にかけては、疲れが大人よりも感情に結び付きやすい子どもたちの方がイライラ…としてしまう場面が増えるのが「夕方からワガママになる」正体かも。

学校では勉強やお友達と遊ぶだけでなく、生活リズムやルールを守るためにエネルギーを使うもの。おうちでくらい、ちょっとルールを無視してもいいじゃん!という気持ちになったり、知らず知らずのうちに溜まっていたストレスから、パパママのちょっとしたお叱りが我慢できないくらいにカチン!と来てしまうこともあるだろう。

パパママからすると「この時間になると言うことを聞いてくれなくなってしまうのはなんで?」と思う行動だが、子どもたちにしかわからない疲れが、おうちで出てしまうタイミングなのだ。

夕方のグズグズ対策に「睡眠時間チェック」

とはいえ、お仕事や家事でヘトヘトなのは夕方のパパママも一緒。子どもたちの疲れイライラを少しでも減らしたい…という人にチェックしてほしいのが、子どもたちの睡眠時間だ。


――夕方になると話を聞いてくれない…対処法はあるの?

夕方の時間帯は、子どもにとっても疲労のピークですが、親にとってもそうです。そのため、子どもはぐずりがちで、親もイライラしがちに。子育て中の親にとって、夕方以降は子どもの就寝時間という“タイムリミット”があり、そこに向けてのカウントダウンと闘っているので、予定通り事が進んでくれないとイライラしてしまいます。

まずはそのグズグズが、年齢的に見られる一過性のものか、改善可能なものかを見分けるのは大事なポイントです。

たとえば、赤ちゃん時代に見られる「メンタルリープ」と呼ばれる現象。これは、生まれてから生後20ヵ月の間にある10回のぐずり期のことです。この間は、脳が急成長するため、赤ちゃん自身の内部の感覚が大きく変わり、その急激な変化にとまどって激しく泣くことが増えます。このような成長に伴うぐずりは、一過性のものであり、「なんとかしないと!」と思ってなんとかできることではないので、その成長を見届けることが親としてできること。「今は仕方ない」とあきらめることも大事です。

一方で、改善可能なことであれば、それに取り組むことが結果的にイライラの頻度を減らすことにつながります。

上でもお話ししたように、疲労度はその子のふるまいに影響を及ぼしがちです。ですが、夕方ともなると誰でも疲れているのは致し方ありません。できることとしては、その疲労度を最小化するための工夫です。

その1つとして、睡眠時間をチェックしてみるのは大事なことでしょう。今の日本の子どもたちは世界的に見ても睡眠不足であることが知られています。各国の睡眠学会で推奨されている睡眠時間は多少の違いはありますが、1~3歳で12~14時間、3~5歳で11~13時間、6~12歳で10~11時間とされています。
たとえば今回の小学校2年生のお子さんであれば、10時間ほどの睡眠が必要ということになります。もちろん大人を見てもその人にとって必要な睡眠時間には個人差があるので一概には言えませんが、睡眠時間をチェックしてみて、リズムを改めるのはぐずり改善の対策として期待できます。

あとはおうちの中のルールが設定はしているものの守られていない状態だと、夕方以降のリズムが後ろにずれがちになります。これは就寝時間の遅れにも影響を及ぼしますので、ルールのあり方を見直すこともグズグズ対策の大事なポイントです。

たとえば「テレビを消すと泣いて怒ってしまう」、こんなとき、ぐずるからとテレビを消さずにいると「ぐずること」がお子さんにとっていい作戦とインプットされ、逆にぐずりを助長してしまいます。その場のグズグズももちろん気になりますが、大事なのはその後繰り返さないための仕組みづくりですので、1週間後、1か月後を見据えて、シフトしていく視点を持つことがとても大切になってきます。

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(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)