自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことをするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家に寄せられたのは、こんなエピソード。

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「『野菜を食べたい!』とおねだりした2歳の娘、スーパーで買ったまではウキウキだったのに、料理して出したら突然『いらない…』 この心変わりってどうして?」

普段絶対に食べないものを欲しがる子どもに「これ本当に買うの?食べないでしょ?」と聞いてみても「絶対食べる!」と力強い返事が。でもいざ食べる準備が整ったら、やっぱり「いらない…」とションボリ顔に。この心変わりって一体どうして?もしかして料理したのがダメだったの…?

「欲しい→いらない」の心変わりの正体について、育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。


――「欲しい→いらない」の心変わりの理由は?

子どもたちは今その瞬間に感じていることを中心に物事を判断しています。「今日の夕飯(=数時間後)には、ボクはきゅうりを食べたくなるだろう」のような先々の読みをして、ママに「買って!」と頼んでいるわけではないので、このようなことが起こりがちです。
大人は先々の段取りで頭がいっぱいで、今を楽しめないことも多いもの。その点で、まさに、「今ここ」に生きている子どもたちはそのお手本でもあるのですが、大人からするとちょっと困ってしまう行動ですね。

また「欲しいと思ったものの形が変わると興味がなくなってしまう」ということは、食品でよく起こりがちだと思います。形もそうですし、パッケージのデザインなども影響するでしょう。とくに食の細い子は、食事の際に見た目で判断してしまい、ダメだと口に運ばないこともよくありますよね。

また、「買ってもらうという目標が達成出来たから興味がなくなった」ということも起こり得ます。ママを説得し「言うことを聞いてもらえた!」ということがゴールになってしまっている場合などはそうでしょう。


――この心変わりには年齢も関係している?

関係しています。”2歳“という年齢限定ではなく、2歳を中心としたイヤイヤ期の子によく見られると思います。
この時期は第一次反抗期と呼ばれる時期で、自我の成長期です。そのため、自己主張が増えるとともに、自分で何かを決断することを好みます。それに伴い「〇〇が欲しい」「〇〇はいらない」という自分の欲求を外に出す発言が増えるのです。

先に述べたように、子どもたちは「今どう感じているか」を最優先するために、「さっき欲しいと言った物が、今はいらない」ということが起こりやすくなります。


子どもたちの「欲しい→いらない」の心変わりは、先の時間の自分がどう思うか?ということを想定せずに、今欲しいものに目を向けているから。
さらに、一度「欲しい!」と思った物でも、その形が買った時と大きく変わることで興味がなくなってしまったり、実はママへのおねだりが成功した時点で目標達成…というパターンも。

もちろん、パパママを困らせるためにわざといらないものを欲しがっている…というわけではなく、「今欲しい!」と思ったものを「欲しい!」と言えることは成長の証だが…果たして自分の興味がこの先も続くか?というところまで考えて買い物をする大人たちとは違うのが子どもたちなのだ。

とはいえ、一度買って貰ったものをすぐに「いらない!」とポイしてしまうのは、少々困りもの。「欲しい→いらない」の心変わりが起きたとき、どんな対応をしていくのが良いのだろうか。


――パパママはどう声かけするのがいい?

「欲しい→いらない」の対象が何かによって、対応は変えていく方が望ましいと言えます。

たとえば、それが物質的なものではない場合(例:「次はブランコやりたい」→「もうやりたくない」「この髪型にして」→「やっぱり別のがいい」)、まぁこういうこともあるかと心変わりを受け入れてあげられるといいと思います。

一方で、それが物質的なものの場合は、後々親御さんが困るケースが多いので注意が必要です。もし子どもが「欲しいと言うと買ってもらえて、いらないと言えばそれで済んでしまう」ということを学んでしまうと、それがクセになってしまい、物を大事にしなくなってしまったり、お買い物中に「あれ買って!」が増えたりとトラブルになることがあるからです。

とくにおもちゃや絵本など、せっかく買ったのにすぐに「いらない」と言われたら処分に困るというような物は、しっかり考えてから購入するのも「我慢」を学習するための大事なステップです。子どものそのときだけの欲求を満たすことは簡単ですが、その経験でその子は何を学んでいるかを考えてみると、いい決断ができると思います。

また、食品のような消費できる物に関しては、この両者の間という位置づけですね。きゅうりが苦手な子が、スーパーで「食べる!」と言ったものの、夕食になったら「いらない」という展開になるのは十分起こりうる話で、「まぁこういうこともあるか」と想定内かと思います。

ただこれがあまりに繰り返されると、親が振り回されてしまうことになります。とくに料理は、作ったものを食べてくれないと、「せっかく作ったのに」とイライラしてしまいますよね。そういうときは、「○○ちゃんがこれ欲しいって言ったから買ったんだよ、食べてみようね」と言って、意味づけするのはいいアイデアです。それで食べない場合は、次回「この間、買ったのに食べなかったから、今回は買わないよ」と伝えます。それによりぐずることもあると思いますが、そういう経験をすることで学んでいくこともたくさんありますので、「イライラするくらいなら、その原因をはじめから作らない方がいい」と切り替え、自分の心の許容とうまく付き合っていくことをおすすめします。


「聞きコミ PRIME online」では皆様からの「育児あるある」エピソード投稿をお待ちしています。

・「もういらない」と言ったから代わりに食べたおやつ。「やっぱり食べる!」と言われて大慌て…同じものを用意しても「さっきのがいい!」と泣かれて大苦戦!
・無くしたと思っていたスマホを冷蔵庫の中から発見!なんでここに入れちゃうの!?

などなど、あなたの「育児あるある」に隠された子どもたちの気持ちを探ってみませんか?
あなたの投稿が漫画になるかもしれません。

※入力された内容は記事で紹介させて頂くことがございます。
※改めて取材をさせて頂く場合もございます。

今回のまちがいさがしの答えはこちら!


(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)