メンズ・ウィメンズの概念ない洋服

自分らしさの着こなしを楽しめる洋服ブランドが誕生した。

ロング丈のニットや襟が高いモックネックのTシャツ。
実はこれら全て、誰でも着られるジェンダーフリーの洋服。

この記事の画像(12枚)

一見スカートに見えるこの服は、中はズボンになっていて動きやすく、スカート特有のスースーした感じもないため、男性も安心して履くことができる。

オンワードデジタルラボ 企画担当・市毛茉莉さん:
男性側の違和感をカバーするために、見た目はスカートだけど、実際履くとパンツのような着心地というところを工夫しています。

大手アパレル企業・オンワードが立ち上げた、メンズ・ウィメンズの概念がない洋服ブランド「IIQUAL」。

誰でも心地よく着ることができるよう、細かな工夫がされていた。

オンワードデジタルラボ 企画担当・市毛さん:
男性のスタッフが、従来のメンズ服だとデザインに遊びがなかったりとか、着られるアイテムに限りがあって物足りなさを感じているという声があり、スカートとかワンピースでも、似合うものがあれば着てみたいという声があったのでトライしました。

例えばこのワンピース、一見すると従来の女性用ワンピースとの違いはわからないが...。

オンワードデジタルラボ・市毛さん:
ワンピースは男性が着ると、同じ身長でも体格や筋肉の質が違ったりして、体のラインが出て気になるという意見があったので、ゆったりとしたストレートのシルエットをポイントに持ってきました。
背中側のファスナーは、男性の体の固さを考慮して、ファスナーのひもを長く設定しています。
そうすることで着脱しやすいデザインに。

また、スリットを深く入れることで、女性より歩幅の大きい男性でも歩きやすいよう工夫されている。

オンワードデジタルラボ・市毛さん:
骨格や筋肉の付き方、体形が違うというところで、男性に合わせると女性が似合わなくなったり、女性に合わせると男性が似合わなくなったりする部分があり、どのバランスが両方にとってちょうどいいのか、繰り返し修正しながら見つけました。

男女の習慣の違いも考慮

ジェンダーフリーへの工夫は、体格の違いだけでなく、男女の習慣の違いも考慮されている。

このシャツは、男性と女性で前合わせが違うというところに着目。
男性用のシャツと同様に左側が上にきていて、女性は慣れない方向でボタンの掛け外しをしなければならない。

そこで、スナップボタンを採用し、誰でも付け外ししやすいようにデザインされている。

こうした“ジェンダーフリーファッション”。

その大きな狙いとは。

オンワードデジタルラボ・市毛さん:
必ずしも、セクシャルマイノリティーの方に向けたブランドという捉え方はしておらず、さまざまな体形の方、大柄な女性・小柄な男性、さまざまな方に自分らしい着こなしを楽しんでもらうために、今までなかったようなアイテムを届けたい。

(「Live News α」6月7日放送分)