自然界には、葉や枝などに色や形を似せ、目立たなくする“擬態”をする生き物がいる。今、その姿がかわいいカエルが、Twitterに投稿され話題になっている。

その姿がこちら。

「すやぁ…( ˘ω˘ )」とのコメントと共に投稿されたのは、1枚の葉っぱで休む1匹のカエル。まるで葉のようにぺたりと平べったくなっている姿は、爽やかな黄緑色の葉の中にうまく溶け込んでいる。

葉っぱを裏返すと、葉に溶け込むように見えるカエル
葉っぱを裏返すと、葉に溶け込むように見えるカエル
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リラックスしているのか、瞳孔も漢数字の「一」のように細くなり、穏やかにくつろいでいるように見えなくもない。

なお、このカエルは葉の裏側に張り付いており、画像は投稿者が葉を裏返して撮影したとのことだ。

このかわいらしい姿にTwitterでは「葉っぱに目ついてるのかと思ったw」「この擬態力凄いですね」「同化してる…」といった擬態力への驚きや「癒やしですね」「可愛すぎる」などのコメントが集まり、11万9000のいいねがつくほどの注目が集まっている(6月10日時点)。

上から見てみると、うっすらカエルの姿が確認できる
上から見てみると、うっすらカエルの姿が確認できる

このカエル含め13匹のカエルを飼っているという、投稿者ゆずさん(@KERO__v)によると、カエルの種類はフライシュマンアマガエルモドキのりんくん。

とっても食いしん坊な性格の男の子だそうだが、普段からこういった擬態をしているのだろうか? ゆずさんに少し話を聞いてみた。

中々見つからずにとっても焦ってしまうことも

ーー普段からこのような擬態しているの?

寝る時のみ、葉の裏側に張り付いて寝る習性があります。お腹が透明で、表側も模様や色はありますが、半透明なので透けて葉っぱと上手く擬態しているみたいです。

透明なお腹側
透明なお腹側

ーー擬態上手なりんくんを見つけるのは難しい?

いつもケージの掃除やご飯をあげる際に、中々見つからずにとっても焦ってしまうことがあります。


ーー投稿には多くの反響があるけど、どう感じている?

こんなにも反響が出るなんて思わずびっくりしています、カエルが苦手な方も可愛いと仰っていただいて嬉しく思います。

爽やかな色が可愛らしいりんくん
爽やかな色が可愛らしいりんくん

「寝ている時は目がにっこりしてるように見え癒されます」とゆずさんの話す通り、やっと見つけた先にこの表情が出迎えてくれていたら、思わず笑みがこぼれしまうのではないだろうか。

しかし、そもそもなぜ寝る時に擬態をしているのだろうか? カエルの中でも擬態はうまい方なのだろうか? フライシュマンアマガエルモドキとはどのようなカエルなのだろうか?

120種類以上のカエルを常時展示している体感型カエル館KawaZoo(静岡・河津町)の白輪剛史館長に聞いてみた。

半透明で木の葉などに擬態

ーーフライシュマンアマガエルモドキの生態を教えて。

アマガエルモドキ科の夜行性のカエル。大きさは2センチ前後。樹上で生活し、半透明の身体で木の葉などに擬態して生活しています。


ーー生息域はどこ?

中米のニカラグア、グァテマラ、コスタリカなどの熱帯雨林です。

フライシュマンアマガエルモドキ(提供:体感型カエル館KawaZoo)
フライシュマンアマガエルモドキ(提供:体感型カエル館KawaZoo)

ーー普段は何を食べているの?

小型の昆虫を食べます。当館では小型のコオロギやショウジョウバエを与えています。


ーーなぜ擬態するの?

天敵の蛇や鳥に襲われないようにするため、木の葉などに擬態します。半透明の身体で素晴しい擬態をします。

擬態上手なカエル「コノハガエル」

ーー飼育するのは難しい?

熱帯雨林を再現した環境さえ整えられれば飼育可能です。環境を作るまでが難しいです。


ーーそもそもフライシュマンアマガエルモドキは珍しいの?

以前は珍しく入手困難なカエルでしたが、近年、輸入量が増えました。

フライシュマンアマガエルモドキ(提供:体感型カエル館KawaZoo)
フライシュマンアマガエルモドキ(提供:体感型カエル館KawaZoo)

ーー他にも擬態が上手なカエルはいるの?

コノハガエルです。体長10センチ位。生息域は東南アジアの森林。地上性で、昆虫や蛙などを捕食します。身を守るためと捕食のため枯葉に擬態します。

コノハガエル(提供:体感型カエル館KawaZoo)
コノハガエル(提供:体感型カエル館KawaZoo)

フライシュマンアマガエルモドキが半透明な姿をうまく利用して擬態する一方で、白輪館長の教えてくれたコノハガエルは、そもそもの姿を枯葉に似せることで擬態していた。カエルの擬態にも種類があり、生きるための術を改めて教えてもらった。

なお「体感型カエル館KawaZoo」では、現在20匹以上のフライシュマンアマガエルモドキを飼育展示しているという。年中無休で10時~16時30分(最終入園16時)で開館している。

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プライムオンライン編集部
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