大小のチェーンソーを使いわけ…たった30分でキャラクター完成

チェーンソー1本で丸太を削り、体長4メートルの恐竜から、躍動感あふれるウミガメまで、木に命を吹き込む岐阜・関市の28歳のアーティストが注目を浴びている。
木の良さを知ってもらって、「地元木材の価値を高めていきたい」と話す。

最終的な目標は世界チャンピオン。チェーンソー1本で木に命を吹き込み続ける。

この記事の画像(14枚)

岐阜・関市のチェーンソーアーティスト丹羽哲士(28)さん。
この日、丹羽さんが作ったのは、クワガタの幼虫。

丹羽さん:
気持ち悪いものを作るのが大好きなんです。誰も作ってないんじゃないかと思って

丹羽さんにクマのキャラクターの製作を依頼してみた。
まずは大きめのチェーンソーで大まかな形を切り出すと、次は小さなチェーンソーを使い、細かい部分を整える。丹羽さんは大小6種類のチェーンソーを巧みに使い分け、丸太を削っていく。

丹羽さん:
チェーンソーは作りたいものをすぐに反映できる、そこが一番の魅力ですかね

自分の思いがどんどん形になっていくのが気持ちいいと話す丹羽さん。たった30分でクマのキャラクターは完成した。

ネットで海外の作品見てハマる…脱サラしてプロのアーティストに

8年前、サラリーマンだった丹羽さんは、インターネットで海外のチェーンソーアーティストの作品を見て、その魅力にどっぷりハマった。早速チェーンソーを購入して作品作りを始めたが、最初は全くうまくできなかったという。

丹羽さん:
最初買ったチェーンソーもいい値段して…。一個でも作品作れるようになって、チェーンソー代くらいは稼ぎたいと…

作品作りにのめりこんでいった丹羽さんは、徐々に上達し、25歳のとき全国大会で優勝し、その後も連覇。2020年、会社を立ち上げて、プロのアーティストとして活動を始めた。

製作過程をYouTubeで配信…「鬼滅の刃」炎柱・煉獄杏寿郎もリアルに

丹羽さんは不定期でYouTubeに作品の製作過程を配信している。その動画の中で作っていたのは、アニメ「鬼滅の刃」の炎柱・煉獄杏寿郎。

丹羽さんの作品はとにかくリアル。4mの丸太を使った恐竜「ラプトル」は、凶暴な目つきに、歯の一本一本、筋肉や皮膚の凹凸までとてもリアルで、今にも動き出しそうだ。

作品を見た男性A:
チェーンソーでこれだけ繊細なものができるのは、凄いテクニックだなって思います

男性B:
動きがすごくあるので、どうやって彫っているのか興味があります

寺に奉納した力強い牛の彫刻に込めた祈り「コロナを終息させたい」

岐阜県最古の寺、日龍峯寺。ここに丹羽さんの作品がある。2020年、丹羽さんは力強い牛の彫刻を奉納。コロナ撃退の祈りを込めた。

日龍峯寺の住職:
コロナを終息させたい気持ちが、筋肉質な牛になっていると思います

丹羽さんは、「木と触れ合う機会が少なくなっている今、木の良さを発信し、地元木材の価値を高めていきたい」と話す。

最終的な目標は世界チャンピオン。チェーンソー1本で木に命を吹き込み続ける。

(東海テレビ)

東海テレビ
東海テレビ

岐阜・愛知・三重の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。