”紀州のドン・ファン”の元妻を殺人容疑で逮捕

3年前”紀州のドン・ファン”こと、資産家の野崎幸助さん(当時77)が死亡した事件で、元妻の須藤早貴容疑者(25)が殺人などの疑いで逮捕された。
須藤容疑者は事件前、SNSを通して覚せい剤の密売人と接触したとみられることが分かった。

フジテレビが独自入手した野崎さんの告別式当日の映像には、喪服姿で足を組んで座る須藤容疑者の姿が。時には薄い笑みを浮かべ、時にはあくびも…

野崎さんの死から約3年が経過しようとした4月28日、事件は急展開を迎えた。

和歌山・田辺署 岸谷孝行警察署長:
本日被疑者を逮捕するに至り、亡くなられた被害者の御無念を晴らすことができたのではないかなと考えております

この記事の画像(12枚)

野崎幸助さん(2016年):
1億円ぐらいはね、紙切れみたいなもんや、私にとっては

2016年に強盗被害に遭った後、取材にこう話していた野崎さん。
会社の経営者として多額の資産を所有するだけでなく、数々の女性との関係を持ったことを手記にし、”紀州のドン・ファン”と呼ばれていた。

そして2018年5月、野崎さんが和歌山・田辺市の自宅の2階で急性覚せい剤中毒で死亡。当時77歳だった。

事件発生時、1階の部屋にいて第一発見者となったのが当時22歳だった須藤容疑者。
野崎さんとは3カ月前に結婚したばかりだった。

資産家の夫が、55歳も年が離れた女と結婚した直後に死亡したということで注目されたこの事件。

夫殺害という疑惑の目が向けられた須藤容疑者は、メディアなどでこれを否定。
その後、警察の捜査に進展がなく膠着状態になっていた。

しかし、3年が経とうとする4月28日朝、警察は野崎さんを殺害した容疑などで須藤容疑者を逮捕した。

井上真一リポーター:
午前9時24分です。須藤容疑者を乗せた車が田辺警察署に入ります

覚醒剤入手し、野崎さんの口内に

容疑者逮捕について会見を行った和歌山県警によると、覚せい剤を入手したのは須藤容疑者。
当時、夕飯の時間帯に野崎さんと二人きりだったという。
その上で何らかの方法で野崎さんの口から摂取させたとみていると発表した。

事件後に野崎さんと覚せい剤について聞かれた須藤容疑者は、記者の質問に無言を貫いていた。

記者(2018年 羽田空港):
今の旦那様に覚せい剤の成分が出たということで、悲痛な心境だと思うんですけども。東京には何をしに来られたのですか。今の心境を一言だけ

須藤容疑者:
………(無言)

捜査関係者によると、須藤容疑者は事件前、SNSで覚せい剤の密売人と接触したとみられている。

「むせる野崎さんをみてニヤニヤ」

事件以降、野崎さんが経営していた和歌山県にある会社の代表取締役を引き継いでいたという須藤容疑者。
現在の自宅は東京都内で、家賃約30万円ほどの高級マンションに住んでいたという。

容疑者の逮捕を受け、野崎さんの会社に勤めていた従業員は…

元従業員:
良かったよって、まずはほっとね。社長が3年になるんで、亡くなってから、もう5月24日でちょうどなるんで。和歌山県警もよく頑張ってくれたなと思いましたね

また、野崎さんと須藤容疑者を知る人がFNNの取材に応じた。

2人を知る人:
一緒に、僕と野崎さんと早貴容疑者で食事を3人でしていると、野崎さんがよく詰まらせるんです。ちゃんと食べられないから。ゴホゴホむせるんですよ。(早貴容疑者は)それをみてニヤニヤして笑っている。とか、野崎さんがいるのに、隣にいる僕にLINEを送ってくる。

逮捕の際は素直に応じたという須藤容疑者。
しかし、警察は容疑を認めているかどうかについて明らかにしておらず、詳しい覚醒剤の入手経路や動機について調べを進めるという。

協力者などが今後の捜査ポイントか

加藤綾子キャスター:
まだ逮捕という段階なので冷静に見ないといけないのですが、3年前の事件でこれからの取り調べでどう容疑を立証していくのか。どういうところがポイントになってくるのでしょうか

住田裕子弁護士:
今回に関しては、覚せい剤取締法違反という形で殺人以外の罪名がついていますから、その関係の証拠が今回出てきたということだろうと思います。
そもそもは自殺するつもり、もしくは過失で過剰摂取したという可能性を、ある程度否定できる証拠があったのだろうと思います。
その上で殺害ということになるのですけれども、実行行為者が誰か、妻か他の人間か、妻しか絞れないだろうというのが今回の見立てだろうと思います。

ただ今回3年間ありましたから、その間にいろんな人の流れ、カネの流れをいろいろと調査した結果を今回の逮捕に結びつけたんだろうと思います。
そういう意味ではどういう人間関係があるか、協力者もいるのかという形で捜査のポイントが絞られると思いますね

(「イット!」4月28日放送)