アメリカ合衆国の大統領とファーストレディ。
世界で最も注目されている夫婦と言っても過言ではない。
常識を覆す言動で世界を騒がすトランプ大統領と美貌の元モデル・メラニア夫人のカップルであればなおさらだ。
来年の大統領選に向け1年を切る中、そんなトランプ夫妻の“夫婦のカタチ”について考えてみた。
メラニア夫人もツイッター好き!
トランプ大統領のツイッター好きは有名だが、メラニア夫人も公務のたびにツイッターに投稿。抜群のプロポーションと着こなしで、まるでファッション雑誌から切り取ったかのような写真を披露している。ホワイトハウスのテニスコート改修工事の起工式では10センチはあるとみられるピンヒールに、ショベルをもってのポーズ。
何だかショベルさえも、ファッションのワンポイントに見えてくる。

メラニア夫人はトランプ氏にとって3人目の妻となる。
旧ユーゴスラビア出身の元ファッションモデルで、1998年9月、28歳の時にニューヨークで開かれたパーティーで24歳年上のトランプ氏と知り合い2005年に結婚。2006年には息子のバロンくんを出産している。
そのセレブな生活ぶりは、トランプ氏の大統領就任前から注目の的だった。
アメリカ以外の国で生まれたファーストレディは、1825年に大統領に就任したアダムズ大統領のルイーザ夫人以来、史上2人目だ。


「サイレント・ファーストレディ」の別名を持つメラニア夫人
一方で、この夫婦には常に不仲説が付きまとってきた。トランプ政権が誕生して3年、ポルノ女優を筆頭にトランプ大統領と不倫したと証言する女性たちが次々に現れ、その度に、メディアは大きく書き立てた。このため、離婚も秒読みではないかとの憶測も広がったが、大統領選勝利に向けて協力する姿勢は一貫している。
メラニア夫人は感情をあまり外に出さない事で有名で“サイレント・ファーストレディ”というニックネームがつけられるほど。
トランプ大統領の不倫問題についても長く沈黙を守ってきた。
しかし、珍しくアメリカメディアのインタビューに答えたことがある。
2018年10月の米ABCの取材にメラニア夫人は、「私の関心事でも、注目している問題でもありません」と夫の不倫問題に関心は無いと明言。
「私は母親で、ファーストレディです。考えなくてはならないことやしなくてはならないもっと重要なことが他にあります」と一蹴し話題となった。
そしてその言葉通り、表舞台ではこれまで通りトランプ大統領を全面的にサポートし続けている。
10月27日、メラニア夫人は、ウクライナを巡るトランプ大統領の不正疑惑で大統領の弾劾訴追に揺れるアメリカ議会に乗り込んだ。

マックスマーラのパンツスーツに身を包んだメラニア夫人はトランプ政権のもと去年議会で可決成立した薬物関連法案に関してスピーチし、法案が違法薬物の蔓延阻止に大きな成果を上げていると強調した。
トランプ大統領が着実に政策を実行しているとアピールし、野党・民主党が弾劾訴追にかかりっきりで議会が停滞している状況を暗に批判して見せた。老練のワシントン政治家を前に堂々とトランプ大統領への援護射撃を行ったのだ。
“トランプ夫妻の夫婦のカタチ”は仲睦まじい夫婦、というよりは、チームトランプのトップとそれを支える参謀役という関係なのかもしれない。
大統領選再選を目指しエンジンフル回転
来年の大統領選まで1年を切ったチームトランプはすでにかなり前から再選に標準を合わせて行動してきた。一般的に都市部では民主党の支持率が高く、地方では共和党の支持率が高い傾向にある。しかし、2018年10月の中間選挙では“異変”が顕著に表れた。共和党支持が見込まれる地方の女性票が民主党に流れるという現象が目立ったのだ。トランプ大統領の、女性蔑視ともいえる発言の数々が影響したものとみられる。大統領選の対抗馬に民主党の女性上院議員のウォーレン氏が勢いを増す中、トランプ大統領にとって、女性票の掘り起こしが喫緊の課題となっている。
そこで気になるのがメラニア夫人の動きだ。彼女の後方支援が大きな威力を発揮する可能性があるからだ。
エコノミストが行った世論調査で過半数の51%がメラニア夫人に「好感が持てる」と答えた。これは娘のイバンカ氏を含めたトランプファミリーで最も高く、トランプ大統領の44%と比べてもメラニア夫人の人気が高いことが分かる。(2019年3月調査)
地方の女性票がカギとなる2020年大統領選で、メラニア夫人がどのような動きをするのか興味深い。

今年6月、トランプ大統領はフロリダ州オーランドの会場で、2万人の支持者を前に来年の大統領選に出馬すると宣言し再選を誓った。その隣には眩いばかりの黄色いボディコンのワンピースを着たメラニア夫人の姿があった。
社会の分断を煽り、過激な発言で支持層を結束するトランプ大統領。一方で、しなやかさと人気で女性票を繋ぎとめるメラニア夫人。このコンビは有権者の心をつかむことが出来るのか。大統領選の年、2020年はトランプ流夫妻のカタチが問われることになる 。
