殺到…中目黒駅ホームで桜撮影

駅のホームに鳴り響く、警笛の音。

「お下がりください!」駅職員は笛を吹き、声を張り上げます。3月28日(日)、東京・目黒区の東急東横線・中目黒駅で撮影された映像です。

この記事の画像(10枚)

そこに映っていたのは、電車が発車しようとする中、ホームドアからぎりぎりの場所でカメラを構える人々の姿。中には、電車が到着しても撮影の手を止めない人もいます。

彼らのお目当ては、目黒川沿いに咲き誇る「桜」。見頃を迎えた時期から、ホームドアのそばで桜の撮影をする人たちが後を絶たず、問題となっているのです。

2日で30人以上が“危険撮影”

一体、どんな景色を撮影しているのでしょうか?めざまし8が現場に行ってみると…

ホームドアに触れながら写真を撮る女性や、ホームドアから身を乗り出して写真を撮る人の姿が。

夢中になって撮影していた男性は、電車に気付かなかったのでしょうか、ホームに大きな警笛が鳴り響きます。

3月31日・4月1日の二日間の間だけでも、30人以上が桜を撮ろうと、危険ともとれる撮影を行っていました。

コロナ禍で花見避け…“危険撮影”のワケ

なぜ、多くの人々が駅のホームから危険ともとれる撮影をしてしまうのか?その理由を聞くと、今ならではの理由が見てきました。

ある男性は、コロナ禍で直接花見をすることを避けているため、ホーム上から花見を楽しんでいたといいます。

東京有数の花見スポットとして人気の目黒川沿いですが、2021年は、花見の自粛が呼びかけられ、厳戒体制に。

結果として、移動時にも撮影しやすい、駅のホームに人が集まってしまっている可能性が考えられます。そして、もう一つの原因は…

ホームから見えるのは、下からではなく、上から桜を見下ろすことができる桜並木です。

実際、危険に見える撮影をしていた人に話を聞いてみると「ホームドアが映ってしまうので、手を伸ばしていた」という人や、「アングルを安定させたいと思いホームドアを支えにした」という声も。

こうした行動に東急は「列車への接触のほか、ホームを移動される他のお客様への通行の妨げになります。ホームドア越しに腕を伸ばして撮影されているお客様をお見受けした場合は、ご遠慮頂くようお願いしています。」とコメント。

コロナ禍で例年通りの楽しみ方が制限されている2021年のお花見。

地域によっては葉桜に切り替わる季節を迎えますが、ほんの少しの配慮で、自分も周りもより安全に楽しむことができるのかもしれません。

(めざまし8 4月2日放送より)