2回接種で感染リスク90%減少

アメリカでワクチンを接種した人の感染リスクが90%減少したとする調査結果が発表された。

CDC(疾病対策センター)が2020年12月から3カ月間、「ファイザー」と「モデルナ」のワクチンを接種した医療従事者らあわせて3,950人を対象に調査を行った結果、2回目のワクチン接種終了から2週間が経過した人は、感染リスクが90%減少したことがわかった。

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また、1回の接種でも、2週間後に80%の減少が確認された。

CDCは、29日に発表したこの調査結果について、「ワクチン接種の効果が出ている証しだ」とし、「ワクチンは、壊滅的なパンデミック(世界的大流行)に終止符を打つ重要な手段だ」と強調している。

変異ウイルスが広がる中でも効果

内田 嶺衣奈キャスター:
このニュースについて、アメリカの大学病院で新型コロナウイルスと向き合っている内科医の山田悠史先生に聞きます。
ワクチンの2回接種で感染リスクを9割減少できるということですが、この数字を私たちはどう捉えたら良いのでしょうか?

マウントサイナイ大学病院勤務・山田悠史医師:
こちらのデータの元になった医療関係者の方達は、症状の有無にかかわらず定期的にPCR検査を行って感染しているかどうか自体を調べて報告していました。

主に医療関係者に限られたデータであるという点には注意も必要ですが、これまで報告されている病気の発症リスクだけではなくて、ウイルスをもらってしまうリスク、感染リスク自体も高い確率で防ぐことができる可能性をより高めてくれたデータだと思います。

また90%という数字が変異ウイルスの広がりもある中でのデータですので、変異ウイルスの懸念が高まる中で、それでもワクチンを広げる価値があることを示唆してくれる、期待を持たせる結果だと思います。

1回接種の「効果持続性」は不明

内田キャスター:
1回の接種でも感染リスクを8割低減できるということですが、こちらに関してはいかがでしょうか?

山田悠史医師:
これは比較的早くから高い効果が出始めることを示した有意義なデータだと思いますが、注意していただきたい点もあります。

1回接種でも80%低減と聞くと、接種は1回で良いのかと思われるかもしれませんが、これは接種後早期に限られた効果であって数ヶ月後の有効性を示したものではありません

1回接種での効果の持続性は明らかではありませんし、2回接種で効果が確実に高まることも示されていますので、あくまでも2回接種が推奨されることは改めて確認していただく必要があると思います。

内田キャスター:
山田先生のお話から確かにワクチンは大きな希望だと思いました。
ただやはり、ワクチンが行き渡りある程度感染を抑え込むまでは気を緩めずに、できる限りの対策をとり続けていきましょう。

(「Live News α」3月30日放送分)