新型コロナウイルスの影響で「相撲」の全国大会が、史上初の“オンライン”で開催。
いったいどんな大会なのか、参加した大阪の小学生を取材した。
コロナで相撲は取れない…悔しさを“1人相撲”でぶつける!

「将来の夢は力士になることです」
元気いっぱいに話すのは、大阪市生野区の小学3年生、谷山雷蔵(たにやま・らいぞう)くん。

目標は、元横綱・朝青龍さんのような強い力士になることだ。
雷蔵くんは、わんぱく相撲の大阪大会で、2年連続優勝するなど数々の大会で優勝。
しかし2020年の大会は、新型コロナウイルスの影響で中止となった。

活躍の場を失った子供たちのために企画されたのが、史上初“オンライン”での「第1回全国相撲形競技大会」。
競技は相撲の基本動作「シコ」の美しさを競う部門と、相手がいるかのように取り組みを演じる「1人相撲」部門だ。

谷山雷蔵くん:
嬉しいです、めっちゃ。コロナの影響でやっぱり大会がなかったから、久しぶりの大会って感じで、相撲を取れないけど形でするのもいいと思います

母・典恵さん:
本当にコロナで大会がなかったので、こういう大会があって頑張れる目標みたいなものができて、すごくよかったと思います

そして迎えた「1人相撲」用の動画撮影の日…。
初めての体験に親子でドキドキの様子。

雷蔵くんは、お父さんが携帯電話で撮影する前で、気迫あふれる“ひとり相撲”をとる。

撮影内容は全く自由。
子どもたちが自分たちで考えたものを披露する。

父:
これでいこうか、雷蔵、負けパターンでいこうか
雷蔵くん:
これでいこう。これでいったら絶対、優勝確定や
どうやら満足のいく動画が撮影できたようだ。

海外からの参加者も…緊張の結果発表
審査員の1人で世界女王にも輝いた、立命館大学相撲部の山中未久(みく)選手は…
山中未久選手:
1人でもやれることってすごくあるなと思いましたし、土俵上での相手との勝負以外でも自分と向き合ったりとか、普段は感じられないことを得ることができるだろうなって
大会に参加したのは4歳から中学生までの395人。
なんと海外からも参加者がいる、国境を越えた大会となった。

動画を送って1週間、いよいよ結果発表。
上位3名のみが名前を読み上げらる。
「シコ部門」で入賞できなかった雷蔵くん…。
まさに土俵際に立たされた。

司会:
一人相撲の発表です。第3位愛媛県・上田暁正くん。
父:
雷蔵、大丈夫や
お父さんがなだめるも、名前が呼ばれず不安そうな雷蔵くん…
司会:
第2位 千葉県・山口嘉文くんです。
雷蔵くん:
あかん!あかん!あかん、終わった!終わった!
緊張の第1位の発表の瞬間…
司会:
優勝、エア相撲日本一は大阪・谷山雷蔵くん。
雷蔵くんの名前が呼ばれた!
雷蔵:
よっしゃー!やった、やったー!涙出てきた。
喜びのあまり思わず叫ぶ雷蔵くん。

見事、初代“1人相撲チャンピオン”に輝いた。
雷蔵くん:
テレビの前で恥ずかしいことならんでよかった…

この大会のおかげで、相撲への意欲がさらに高まった雷蔵くん。
次に目指すのは「わんぱく相撲」の全国大会優勝だ。
雷蔵くん:
目標は”日本一”なるぞ!
(関西テレビ)