学生時代、先生からの何気ない一言がずっと心に残っていて、その後の人生に影響を与える…そんな経験をした人もいるだろう。
こうした中、先生に背中を押してもらった心温まるエピソードがTwitterに投稿され、注目を集めている。
まずはこちらを見てほしい。
中学3年生→美容学生1年
— 長靴をはいた描 (@erumo_0384) March 16, 2021
先生、今も描き続けてますよ! pic.twitter.com/hoqHMJT3ol
「中学3年生→美容学生1年 先生、今も描き続けてますよ!」とのコメントとともに投稿にされたのは、ふたつの画像。
一つは、中学3年生の時に日誌らしき紙に鉛筆で描いた「リンゴのスケッチ」。日誌の内容とは関係ない落書きと思われるが、赤いペンで三重丸と「めっちゃウマイやん!!この才能も大事にしてほしいな」との先生からの絶賛コメントも確認できる。
もう一つは、美容学生1年生となった今描いたというサクランボの絵。こちらは着色してあり、さらに宝石にも見えるようなデザインがされている。

中学3年生の時に描いたリンゴも上手だが、現在はさらに進化してセンスを感じさせる作品となっている。先生から褒められたことで絵を描き続けた成果なのだろう。
この投稿には「先生からのコメント、すごく嬉しいですね」「いい先生とめぐり逢いましたね」「センスの塊やん。やっぱ美大の人って凄いなぁ」と先生や投稿者に対してのコメントが多く寄せられ、28万4000いいねが付いている。(3月23日時点)
投稿したのは、”美容学校”に通いながら色鉛筆画家として生き物と鉱物・宝石の融合をテーマに絵を描いている長靴をはいた猫(@erumo_0384)さん。実は、美術大学ではなく美容学校に通う美容学生なのだ。
そんな長靴をはいた猫さんに、このような投稿をした理由や当時の先生の思い出を聞いた。
生徒のことをちゃんと見てくれる先生
ーー投稿したきっかけは?
先日、弟が中学校を卒業したのですが、それを見て懐かしく思い自分が中学生の頃の思い出の品を見ていると当時の日誌があったので、現在の作品と一緒に投稿いたしました。
ーー投稿した作品について教えて
中学3年生後期の日誌と、隣の作品が、さくらんぼ×ガーネット という作品で2021年2月頃に描いた最新作です。


ーー当時、絵を見た先生の反応はどうだった?
日誌を見た現場にいなかったのでわからないですが、先生はよく褒めてくれました。
ーーどんな先生だったの?
僕の通っていた中学校は、ヤンチャな生徒も多かったんですが、生徒一人一人と向き合って、生徒の気持ちに寄り添える素敵な先生でした。
毎月配られる学級通信に、先生はクラスメイトの誕生日がくると誕生日の生徒にメッセージを書いてくれていました。先生は本当に生徒のことを見てくれていました。


投稿をきっかけに先生から連絡が
ーー卒業後、先生と連絡は取っているの?
先生の連絡先はもっていましたが、このツイートがきっかけで、先生から連絡がきました。本当にビックリです。自分から「今も描いているよ!」って送るのは何だか恥ずかしくて、Twitterを利用しました笑
ーーどんな内容だったの?
旦那さんからTwitterで話題になっていたのを聞いたらしく、「頑張ってるねんな〜!嬉しいよ〜!体やら心やら壊してない?」と、心配して頂きました。
ーー先生に会えたら何を伝えたい?
実は2020年の3月頃に先生とは会う機会があったのですが、その時直接言えなかった「ありがとう」と伝えたいです! また、その時はまだ生き物と鉱物・宝石を融合させるというテーマで作品を描いていなかったし、卒業以降、絵を直接見てもらっていないので是非見て貰いたいです。

ーー1年前に再会していたの?
高校卒業後、プチ同窓会みたいな感じで中学3年生の頃のクラスメイトとご飯を食べに行きました!
3年ぶりの再会だったのでとても懐かしかったです。(先生はいまだに絵を描いていたのは知っていましたが、僕がどんな絵を描いているのか、どんな活動をしているのかは内緒にしていました)
ーーでは先生は、今回の投稿でどんな絵を描いているか知ったということ?
生き物×鉱物・宝石作品は、今回の投稿がきっかけで知ったと思います。

「この才能″も″大事にしてほしいな」
ーー絵はいつから本格的に描くようになった?
中学3年生の時からです。メイクアップアーティストになりたかったんですが、男子だったためメイクアップできる機会もなく、メイクアップの練習になるかなと絵を描いていました。

ーーやはり、先生からのコメントが影響している?
もちろんです!僕はメイクアップアーティストになるという夢があります。
中学3年生の時に、夏休みの宿題に絵の課題があって、コンクールで入賞したんです。その絵を見て先生は僕の絵を好きと言ってくれたんですけど、僕はメイクアップアーティストになるという夢を先生に伝えていました。
先生は、「この才能″を″大事にしてほしいな」ではなく「この才能″も″大事にしてほしいな」って書かれていて、夢は1つじゃなくていい、両方がんばろうと思えたし、本当に嬉しかったのを今でも覚えています。

ーー当時はどのような学生だった?
当時の僕は、何になりたいのか、何をしたいのかもわからず、ただひたすらに遊んでいました。
ーーでは現在は?
現在は、メイクアップアーティストになるという夢を叶えるべく、美容学校に通い、作家としても活動しています。(美容学校では、トータルビューティーというワインディング、オールウェーブ、ネイル、メイクアップ、デッサンなどなど、あらゆる美容の技術や知識を勉強しております。)

ーー話題になったけど、どう思う?
すごく反響があり、驚きました。世の中にはこんな素敵な先生がいるということをお伝え出来てとても嬉しいです。
なお、長靴をはいた猫さんのTwitterには、これまで描いてきた作品も投稿している。



当時、「何になりたいのかわからず遊んでいた」という生徒が、「この才能″も″大事にしてほしいな」という先生の言葉によって、メイクアップアーティストという夢だけでなく色鉛筆画家としての活動も続けていた。今回の話をきっかけに自分の学生時代を思い返してみた人も多かったのではないだろうか。
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