長崎・佐世保市にある大型テーマパーク「ハウステンボス」。
新型コロナウイルスの感染拡大で、国内の観光産業が大きな打撃を受ける中、ハウステンボスも例外ではなかった。
しかし今、ポスト・コロナを見据えた新たなチャレンジを始めている。
人気テーマパーク「ハウステンボス」 コロナ禍で赤字に…
2021年3月8日朝、入場ゲートで来場者を出迎えているのは坂口克彦社長だ。

社長自身が接客をする取り組みは、この日の朝で500回目を迎えた。
ハウステンボス 坂口克彦社長:
現場が大事だという意思表示にもなる。お客さまにも、現場のスタッフにも伝わるからいいと思っている
ハウステンボスは1992年に開業した。

2度経営破たんするが、2010年に旅行業大手「H.I.S」の創設者・澤田秀雄氏が社長に就任し、再建に尽力した。
坂口社長はその跡を継いで、2019年から社長を務めている。

インバウンド客の増加もあり、絶好調だったハウステンボスだが、新型コロナウイルスの感染拡大のあおりをまともに受けた。
56日間の休園とその後の時短営業で、2020年10月までの年間入場者数は138万6,000人と、前年の半数近くに落ち込んだ。
2020年9月までの1年間の決算は10年ぶりに赤字に転落し、最終的な損益は、前期の56億円のプラスから約24億円のマイナスに転じた。

ハウステンボス 坂口克彦社長:
しょうがないとしか思えない。皆さんそうですし、ただ澤田会長の時に内部留保してもらっているので、資金繰りに奔走しなくてよかった
休園はせず多能工化 コロナ対策も徹底し感染者ゼロに
時短営業中は入園者が見込めず、「休園したほうが赤字は少なかったはず」と坂口社長は話すが、あえて休園はしなかった。
ハウステンボス 坂口克彦社長:
大変な時だから、多能工化(人材のマルチスキル化)。僕はメーカー出身なので、多能工化の訓練ができる時期。お客さんが居ないときより、少ない時のほうが訓練はしやすい

この間、一番力を入れたのはスタッフの「接客の質」を上げること。
自ら接客をしているのもそのためだ。
ハウステンボス 坂口克彦社長:
どういったことがお客さまがわからないのか、地図を見ながら説明するときに、自分でもこの地図使いにくいとかわかる
新型コロナ対策では、外部から講師を招き、接触や飛沫による感染防止の方法を学んで実践した結果、これまで園内での感染は1人も確認されていない。

安全・安心なパークというイメージにつながり、修学旅行の予約も増えたという。
関東からの旅行客:
しっかり感染対策されてるなと思った
新エリアでは演出面強化 「コロナあるうちに基盤強く」
一方、集客につなげようと演出面も強化している。
3月20日に始まる「光のファンタジアシティ」では…。

ハウステンボス 坂口克彦社長:
イルミネーションは昼は見れない。今度の光のファンタジアシティは昼でも見られる。屋内型イルミネーションで3Dマッピングみたいな感じ

ハウステンボス 坂口克彦社長:
ヨーロッパの街並みに花、光を強くしようと。年間6回すると、お客さんは何度も来る理由ができる。コロナがあるうちに基盤を強くする。コロナが収まってきた時に真価が問われる。今、楽しみです

その先に目指すのは「東証1部上場」
新型コロナの収束後に坂口社長が見据えているのは「東証1部上場」だ。
予定より1年延期し、2023年の上場を目指している。
ハウステンボス 坂口克彦社長:
本来、上場は何のためかというと資金需要を満たすため。今、内部留保でできる力はあるが、将来的に投資していくために、投資がしやすい環境を作ること。長崎県に1部上場企業がなくなったので、うちが1部上場企業になれば、社員の誇りにもなるし、採用面でも強みになる

ポストコロナに向けた、ハウステンボスの挑戦が始まっている。
(テレビ長崎)