「走る個展」で長崎の今を伝える

2021年2月下旬から長崎市のちょっと変わった場所で写真展が開かれている。

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被写体は長崎の路面電車だが、展示されている会場は美術館ではなく、まさに市内を走る車両の中だ。

写真は全部で16枚。飾られているのは通常、企業の広告などが貼られているスペースで、最新型の車両5003号が約1カ月間限定で「走る個展会場」となっている。

広告などが貼られているスペースに写真が
広告などが貼られているスペースに写真が

写真展のタイトルは「無名大学生の感じる路面電車」。
撮影した大学生とは?

テレビ長崎 本田アナウンサー:
こんにちは~!写真を撮っているときにすみません。もしかして、写真展をしている方?「無名大学生」ということで名前と顔は秘密なんだそうです。

写真展を企画したのは長崎大学4年生の男子学生だ。SNSには「&」という名前で写真を投稿している。

カメラに興味を持ったのは母親の影響だそうで、高校で写真部に入り、貯金をはたいて一眼レフを購入した。

幼い頃から好きだった電車と長崎の変わりゆく街並みを撮影してきた。

男子大学生 &さん:
路面電車が走っている街ということで、長崎の象徴の一つかなと思って撮り始めました。通常の写真展の会場を借りてやるというよりは何か面白いことできないかなと

&さん
&さん

日常のひとコマなど、お気に入りの写真はインスタグラムや、ツイッターに投稿していて、いつか個展を開きたいと思いながら撮り溜めてきた。

また、1年前までは鉄道で全国各地を旅して列車をその土地の風景と絡めて撮影していた。
しかし…

男子大学生 &さん:
色んなところに県外とかにも行けなくなってしまって、というのもそうですし、授業も最初の頃は全然、学校に来ちゃだめとなっていたので、生活が変わったというのは大変でした。

新型コロナウイルスの影響で卒業研究が思うように進まなかったり、卒業旅行の行き先を「海外」から「県内」に変更せざるを得なかった一方で、長崎を見つめ直すきっかけにもなったという。

男子大学生 &さん:
ちょうど今、長崎が新幹線が出来たり県庁が移転したりして変わっている部分があるので、たまたま乗ったときにこの車両にあたって長崎にこんな風景あったなとか、観光客であったらこんな風景があるんだなというのを見てもらえればなと思います。

&さんはこの春、長崎大学を卒業して東京の大学院に進学する。
路面電車とともに、切り取った長崎での思い出が、変わりゆく長崎の今を伝えている。

写真が展示されている「5003号」の運行ルートやダイヤは日によって異なっていて、電車の現在地は長崎電気軌道のホームページで確認できる。

2021年の3月下旬までの展示予定だ。

(テレビ長崎)

テレビ長崎
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