新成人のために無料のイベント開催

新型コロナウイルスの影響で2021年、成人式に参加できなかった新成人のために、特別なイベントが長崎県の佐々町で開かれた。イベントに込められた思いとは。

2021年2月、北松佐々町の正福寺で行われた新成人のための撮影会。
なんとメイクにヘアセット、着物の着付け、そして、写真撮影まですべて「無料」。

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主催したのは、佐々町で着物のレンタル業を営む江頭知裕さん。
新型コロナウイルスの影響で、県内のほとんどの成人式が中止や延期となったことを受けて企画した。

L'ECRIN・江頭知裕さん:
(成人式が)できなかった新成人がかわいそうという思いと、ここで着物を着なかったら、一生着る機会がない人が増えると思って

SNSで参加を呼びかけたところ、成人式に出られなかった新成人15人が応募してきた。

ーー成人式の中止を知ったときは?

川棚町から参加・諸隈桃子さん:
ショックでした。一生に1回しかないから

ーーいつもと違う自分の姿は?

川棚町から参加・諸隈桃子さん:
大人になったなって実感

佐世保市から参加・白川莉奈さん:
きれいにしてもらってうれしい。一生に残る思い出になりそうです。自分をしっかり持った素敵な女性になりたい

このイベント、ヘアメイクや撮影カメラマンなど、スタッフは全員ボランティア。
SNSで支援を呼びかけたため、スタッフ同士が顔を合わせるのもこの日が初めてだったが、見事なチームワークを見せた。

メイクのボランティア・岩永絵美さん:
私の娘も二十歳で成人。コロナで娘も成人式に参加できなかった。同じ思いをしている子に、自分が手伝えることがあればと思って。来てよかったなって

「どうやって生きていくか」コロナで夢を諦めた新成人

新型コロナの影響で夢を諦めた新成人もいた。
佐世保市から参加した川瀬竣太さん。2020年まで理学療法士を目指し、福岡県の専門学校に通っていたが、学校を辞める選択をした。

佐世保市から参加・川瀬竣太さん:
奨学金を借りていたんですけど、奨学金だけで生活するのもきつくて…アルバイトでまかなっていたけど、アルバイトもできなくなった。家賃など金銭的な問題でこっちに帰ってこないといけないと思って帰ってきた。コロナのせい、コロナのせいじゃなくて、どうやって生きていくかっていうのが次の問題

佐世保市から参加した川瀬竣太さん

佐世保市から参加・川瀬竣太さん:
自分が生まれる前(に書かれた)手紙に、父から「正義感のあるりりしい男になれ」と書いてあった。そういう男になりたい

ーーお母さんに対しての言葉は?

佐世保市から参加・川瀬竣太さん:
20年間育ててくれてありがとうという感謝の気持ちが、すごくいっぱいある

母親と姉と写真撮影する川瀬さん

川瀬さんの母:
感慨深いですよね。こういう機会はなかったので、よかったなと思って。イベントが開催されて本当によかったと思ってます

L'ECRIN・江頭知裕さん:
本当、やってよかったっていう思いが一番強い。やっぱり晴れの舞台って一生思い出にも残るし、衣装って一生覚えていると思う。ここで着物文化がなくなるのが一番嫌なので、普及させていきたい

新型コロナの影響で異例の門出を迎えた新成人。
いつかこの時を笑って振り返ることができるように強く歩んでいってほしいと、心からエールを送る。

(テレビ長崎)