バイデン政権「戦略的忍耐」で対中圧力

新政権発足から一週間、大統領令を連発し、ロケットスタートを切るバイデン大統領ですが、中でも気になるのは対中政策です。中国の習近平国家主席がトランプ氏の強硬路線からの転換を呼びかけ、秋波を送ったのに対し、ホワイトハウスは「対応はこれまでと変わらない」と一蹴。「戦略的忍耐」で、圧力を当面維持する考えを示しました。就任後、初会見に臨んだブリンケン国務長官も「ますます多くの敵対的側面がある」と指摘。前政権の政策を次々に覆す中で「対中圧力」は数少ない「超党派的な合意事項」です。しかし、看板政策の気候変動対策などで必要な中国の協力をどう取り付けるのか、硬軟織り交ぜた対応が迫られそうです。(ワシントン支局 瀬島)

サンダース議員のカジュアルファッションが話題に

バイデン大統領の就任式に出席した民主党のバーニー・サンダース議員。そのファッションが話題です。手編みの大きなミトンに、防寒ジャケットのカジュアルな服装で就任式に臨んだサンダース氏。このミトンは議員の地元バーモント州で小学校の先生をする女性がセーターをリサイクルして作ったもので、ジャケットも地元企業の製品でした。華やかに着飾った招待客と対照的な姿は人々の目を釘付けに。SNSでも話題を呼び、写真入りのTシャツやトレーナーがチャリティ販売されると、瞬く間に売り切れとなりました。売り上げは5日間で1億8700万円に上り、すべて慈善団体に寄付されるということです。(ニューヨーク支局長 上野)

手編みの大きなミトンに防寒ジャケットのカジュアルファッションで就任式に臨んだサンダース氏
手編みの大きなミトンに防寒ジャケットのカジュアルファッションで就任式に臨んだサンダース氏
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韓国で「鬼滅の刃」公開

新型コロナの影響で韓国で公開が延期されていた映画「鬼滅の刃」。公開初日を迎え、多くの人が列を作っています。済州から来た男性「ストーリーが面白くてはまった。アニメ好きではない友達も知っているくらいなので韓国で今、最もホットなアニメだと思う。」1月27日に封切られた「鬼滅の刃」は、前売り券の売り上げ1位を記録。会場にはコスプレ姿のファンも駆けつけるなど、上々のスタートとなりました。2019年から日本製品不買運動が続いている韓国でのヒットは意外な感じもしますが、半導体製造素材や部品の日本からの輸入は大幅に増えていて、不買の勢いは弱まりつつあるようです。(ソウル支局 熱海)

「出所者を更生させる制度の改善を」

サンフランシスコの中心部にあるこの交差点で、悪質なひき逃げ事件が起きました。現場の近くには、犠牲となった日本人の女性の為にたくさんの花が手向けられています。2020年の大晦日に、現地在住の阿部華子さんら女性2人が、信号無視をして突っ込んできた車にはねられ死亡しました。容疑者の男は強盗事件で服役し仮釈放中で、その間も犯罪を繰り返していたのに拘束されず、当局の対応が大問題となっています。「犯人を恨んでも娘は戻ってこない。大好きなサンフランシスコが安全な街に変わることを娘は望んでいるはずだ」現地での追悼式に駆けつけた母親は、事件を無駄にせず、出所者を更生させる制度の改善に取り組んでほしいと訴えました。(ロサンゼルス支局長 益野)

事件発生現場に花を手向ける人々
事件発生現場に花を手向ける人々

夏休みの旅行予約が急増

ワクチン接種が始まりおよそ2カ月が経過したイギリスでは、「ワクチン効果」への期待から、思わぬ所で緩みが懸念されています。ロックダウン中ということもあり、旅行代理店は閉まっていますが、50歳以上を中心にオンラインでの夏休みの旅行予約が急増しているということです。市民は 「うまくいけば、8月に(アメリカに)行きたいね。夏を目指しているよ」「(夏に)ローマに住む息子に会いに行きたいな。可能ならそうすると思う」政府は「今、夏休みの予約は早すぎる、楽観的にならないで」と釘を指すと共に、「ワクチンが行き渡る前に、外に出れば感染源となる」と規制を守るよう警告しています。(ロンドン支局 小堀)

「ワクチンバス」が我が町へ

フランスでは接種会場が遠くて足を運べないという高齢者のために、各地を訪問して接種が受けられるバスが登場しました。この「ワクチンバス」では、事前の診察からワクチンの接種、その後の体調確認まで、すべてをこの車内で済ませることができます。フランス北東部のランスなどの自治体が導入したもので、移動が不便な46の町を回り、ワクチン接種を実施しています。利用した女性は「移動も必要ないし、素晴らしい、とてもいいアイデアですね!」担当者は「ほかの地方でも同じような取り組みが広がってほしい」と話しています。ワクチンを身近にする取組みで、フランスのワクチン接種者は1カ月で100万人を超えました。 (パリ支局 藤田)

事前の診察からワクチンの接種、その後の体調確認まですべてを車内で済ませることができるワクチンバス
事前の診察からワクチンの接種、その後の体調確認まですべてを車内で済ませることができるワクチンバス

「世界の薬局」インドの存在感

南アジアへのワクチン供給でインドの存在感が高まっています。1月27日から医療従事者への新型コロナウイルスのワクチン接種が始まったミャンマー。使われたのはイギリスの製薬大手アストラゼネカが開発し、インドで生産したワクチンで、150万回分がインドから無償で提供されています。実はインドは「世界の薬局」ともいわれる医薬品製造大国。ワクチン製造にも実績があり、ミャンマーをはじめバングラデシュなど周辺6カ国にあわせておよそ500万回分のワクチンを無償で提供しました。中国も同様にワクチン外交を積極的に展開していて、インドとの間で「ワクチン提供合戦」が激化しそうです。(バンコク支局 武田)

スキー場でどんちゃん騒ぎ

スキー場でどんちゃん騒ぎ、コロナ対策を無視したホテルに、高額の罰金が科されました。マスクを付けずに、「密」状態で踊りまくる人々…。トルコの有名スキーリゾートにあるホテルのレストランで撮影された映像です。トルコでは夜間と週末の外出禁止が続いていますが、スキー場はオープン。学校が冬休み中でもあり、スキー客でごった返しています。レストランは営業禁止ですが、ホテルの中は例外で、宿泊客なら利用できます。しかし、スキー客がはめを外しホテル側も黙認している映像が拡散すると、批判が殺到。内務省はソーシャルディスタンスを守らなかったなどとして、ホテルに120万円相当の罰金を命じました。(イスタンブール支局長 清水)

高まるプーチン政権への不満

逮捕・勾留されたロシアの反体制派指導者の釈放を求める抗議デモがモスクワ中心部の広場で行われています。「アレクセイ・ナワリヌイに自由を!アレクセイ・ナワリヌイに自由を!」4万人もの人が広場を埋め尽くした1月23日のデモで、治安当局は「感染防止」を理由に、無抵抗の支持者を手当たり次第、拘束しました。人権団体によれば、デモはロシアのおよそ120都市に及び、拘束者は4000人以上に上っています。支持者は「(プーチン大統領は)国をまとめるに値しない悪人だ。断罪されるべきだ」反体制側はおよそ1400億円をかけて建てられたとされる「プーチン宮殿」の存在を暴露していて、政権への不満が高まっています。(モスクワ支局長 関根)

デモは120都市に及び拘束者は4000人以上にも
デモは120都市に及び拘束者は4000人以上にも

感染者の増加で緊張感高まる上海

新型コロナウィルスの感染をほぼ抑え込んできた上海でもこのところ感染者が増加、緊張感が急激に高まっています。上海では1月21日に、政府庁舎などもある市中心部で住民に感染者が出たのをきっかけに、25日までに同じ地区内で10人以上の感染が判明しました。爆発的増加ではありませんが、関係先やその周辺がすぐにリスク地区に指定され、外部から遮断されました。街中では再び健康コードの提示や体温チェックが強化されたほか、上海の感染地区からの入境者に隔離を義務づける都市も出始めています。少人数でも即座に徹底的な対策をとる中国式感染防止策は、今回の上海でも功を奏するのか、警戒が続きます。(上海支局長 森)

世界最大規模のユニバーサルスタジオ北京

5月に開園を予定しているユニバーサルスタジオ北京。最近主要な工事が完了し、敷地の外からでも大きな建造物が確認できます。中国メディアによりますと今後、内装のほか、各アトラクションのテスト運行、キャストやスタッフの育成などが行われ、開園に向けた準備が本格化します。園内は世界初となる「カンフー・パンダ」「トランスフォーマー」のテーマパークのほか、「ハリー・ポッター」「ジュラシック・ワールド」など合わせて7つのエリアで構成され、世界最大規模になるということです。コロナ禍で海外旅行が難しい中、中国国内の新たな人気スポットになりそうです。(北京支局長 高橋)

【取材:FNN海外特派員取材班」

国際取材部
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