在アメリカ中国大使館のアカウントを凍結

中国ではツイッターへのアクセスが規制されており、一般の人は使えない。しかし、政府機構やスポークスマン、国営メディアなどは海外への宣伝活動のためツイッターでの発信を行っている。

こうした中、ツイッター社は、在アメリカ中国大使館による新疆ウイグル自治区をめぐる投稿が規定に違反するとして、大使館のアカウントを凍結した。問題となったツイートは「ウイグルの女性たちの心は解放され、彼女たちは赤ちゃんを産む機械ではなくなった」など中国政府によるウイグル政策を正当化する内容だった。

在アメリカ中国大使館のツイッターアカウント
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ツイッター社は、人間性を否定する投稿を禁じる規約に違反していると判断し、このツイートを表示しない措置をとった上で、大使館側にツイートの削除を求めた。しかし、大使館側が要請に応じていないため、アカウントの凍結が続いているという。

ツイッター社によって削除されたツイート「ウイグルの女性たちは赤ちゃんを産む機械ではなくなった」などと投稿されている

中国政府は反発「二重基準を採用しないことを望む」

これについて中国外務省の報道官は「理解できない」と反発した上で、「ツイッター社が客観性と公平性の原則を守り、この問題に関して二重基準を採用しないことを望む」と述べた。

さらに「アメリカのSNSには、数多くの陰謀論や虚偽情報が存在し、アメリカは深刻な悪影響を受けている。中国も大きな被害者であり、新疆関連の問題について多くの醜い虚偽情報が向けられている。在アメリカ中国大使館には事実を明らかにする責任と義務が当然ある」と大使館の投稿の正当性を主張した。

国内ではツイッターの利用を規制している中国がツイッター社の規制方針に注文を付けた形だ。

「中国は被害者」と訴え、ツイッター社による規制を批判した

中国が主張する「ネット主権」

一方で、中国政府は、どのサイトが規制対象で、その個別の理由などについて公式に説明していない。問題なく見られていた外国のサイトがある日突然遮断されるということもしばしばである。習近平国家主席自らネット空間にも国家の主権が及ぶという意味の「ネット主権」を提唱しており、国家によるネット規制を正当化している。

中国で開催された「世界インターネット大会」で「ネット主権」を提唱

ツイッター社をめぐっては2020年6月にも中国政府の関与が疑われる17万余りのアカウントを削除しおり、この時も中国政府は強く反発していた。しかし、国内では露骨な言論統制を行いつつ、海外では「発言権」を求めることこそが“二重基準”にあたるとの批判がある。

【執筆:FNN北京支局長 高橋宏朋】