3種類のアルゴリズムで解析

のべ30万人以上のプレーヤーを徹底分析したAIが実現させた、スポーツ指導の新たなスタイル。

大阪・茨木市にある「テニススクール・ノア」では、コーチが指導するすぐそばで、男性スタッフがタブレットで生徒を撮影している。

この記事の画像(13枚)

画面を覗いてみると…

テニススクール・ノア 中山泰孝コーチ:
最終AIが判断したのが出てきます。打ち終わった後、ラケット左肩方向、頭の上まで。横にいきすぎているので、前に出ていない。

生徒:
コーチに言われます、いつも。

これは、人工知能AIを使ったテニス指導アプリ「TennisLabo」の実証実験。開発したのは、スタートアップ企業のTAFDATA。

TAFDATA・山田将大CEO:
テニスはコートを縦横無尽に人間とボールがそれぞれ動き合うので、その中で解析するのが難しいところへのチャレンジが一つ、テニスラボの新しいところ。

いま解析できるのは、サーブ、フォアハンド、バックハンド、ボレーの4種類。

試しにサーブを解析してみると、コーチと自分の動画に骨格が表示された。

この動画は拡大することができ、骨格を合わせるとコーチと自分のフォームが比較できる。

のべ30万人以上のテニス動画を学習させたというこのアプリ。

解析は主に骨格認識、時系列解析、パターンマッチングという3種類のAIアルゴリズムを組み合わせて活用する。

骨格からフォームの癖を見抜き上達を助ける

撮影した動画には、骨格とチェックポイントとして良い点、悪い点の双方が出てくる。

アドバイスのパターンは、2万1735通り(2020年12月10日時点)。特にテニスで重要といわれる骨格を認識することで、フォームの癖を解析しベストなアドバイスを導き出す。

テニススクール・ノア 中山泰孝コーチ:
(参考)イメージと合ってくれば、もっと上達のスピードが上がると思う。そこを目指して頑張っていきましょう。

生徒:
ありがとうございます。

テニススクール・ノア 中山泰孝コーチ:
弊社の場合は、1人のコーチでマックス10名のお客さまを担当します。80分のレッスンで一緒にやるとなると、コーチと1対1でやる時間が8分と短くなる。そこをAIで補えることができれば、お客さまに対してのサービスの度合いはもっと上がっていくと思います。

AIが変えるスポーツ指導の形。最終的な目標は?

TAFDATA・山田将大CEO:
最終的な目標として、運動神経の解明ができたら面白いと思っています。いろんなデータを弊社が集めて、“運動音痴”といわれる人たちに最適な指導を与えたら、誰もがある程度のラインまで達成できて“運動音痴”という言葉がなくなる、そういうようなことをやっていきたい。

(「Live News α」1月20日放送分)