街の人出なかなか減らず

月曜としては2番目に多い1204人の感染が確認された東京都。
携帯電話の位置情報を分析する会社Agoopによると、この週末、都内各地の午後3時の人出は前回宣言時の土日祝日と比べ大幅に増加。渋谷は2.4倍、銀座は3.2倍、秋葉原は2倍の人出だった。

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税込1000円でドリンク付きのランチを提供する東京品川区のイタリアンレストランでは、昼時の店内は多少賑わっていたものの、客の入りはコロナ前の4分の1、緊急事態宣言前の2分の1だという。

バルットリア兄弟 石田和徳店長:
協力金もらえても家賃と人件費と経費だけでも足らないので、やっぱり規模に応じたものを頂けないと苦しいかなと思います。

ランチ客A:
ランチも自粛となるとどこで楽しみを見つけたらいいのかなという気持ちになります。

ランチ客B:
息抜きがちょっとずつできるような形をとっていかないと、やっぱり自粛だけでは今後も難しいのかなと思います。

44日ぶりに国会開幕…密状態?

街から聞こえてくる不安や不満の声に政治はどう応えるか、18日、44日ぶりに国会が開幕した。

議席を指定するために開かれた1回目の衆議院本会議は、ソーシャルディスタンスが十分とは言えず、いたるところで「密」状態が生まれていた。議場を出る際の様子は「満員電車の出口」を思わせる混雑ぶりだった。

ただ、午後2時から開かれた菅総理の施政方針演説では、衆議院本会議への出席議員数を約半数に制限した。

また、国会で目についたのは、どう見ても寝ているようにしか見えない議員たち。コックリコックリと船を漕ぐ議員もいた。

首相演説で飲食店への罰則を明言

菅首相(施政方針演説 午後2時ごろ):
飲食での感染を抑え込むことが極めて重要であり、飲食店については協力金を180万円まで引き上げ、20時までの営業時間の短縮を徹底をします。

また、コロナ対策上の罰則についても明言した。

菅首相(施政方針演説):
新型インフルエンザ特別措置法を改正し、罰則や支援に関して規定し、飲食店の時間短縮の実効性を高めます。議論を急ぎ早急に国会に提出をいたします。

自民党で了承された改正案では、時短要請に応じない事業者に対し、知事が命令できるよう定められたほか、応じない場合には行政罰としての過料を科すことも明記。

緊急事態宣言下では「50万円以下」、その前段階のまん延防止措置の下では「30万円以下」などとされている。

「飲食店を苦しめるだけ…」

首相の演説を聞いた飲食店の店長はー

バルットリア兄弟 石田和徳店長:
180万じゃ少ないですね。飲食店苦しめるだけみたいに聞こえますよね。
これを聞いたからといって、じゃあ国民が頑張ろうという気持ちになるかというとそうは感じない。本気で抑え込みたいというふうに思えない。

「雇用守るため」大手で反発続々

大手外食チェーンからは政府の対応に反発する声も上がっている。

和食居酒屋「権八」やエスニック料理店「モンスーンカフェ」などを展開する「グローバルダイニング」は、行政からの協力金などが不十分で、午後8時までの営業では雇用を維持できないとして通常営業を続ける意向を表明している。

さらに、「屋台屋 博多劇場」などを手がける大手外食チェーンの「一家ダイニングプロジェクト」は都内で運営する34店舗のうち、30店舗は都の時短要請に応じることなく、深夜0時までの通常営業を続けている。

店では、感染対策としてカウンター席は通常の半分ほどに減らし、各テーブルには除菌用品が置かれている。

一家ダイニングプロジェクト 武長太郎社長:
やはり働く人たちを、「雇用を守る」ということです。もう一人も解雇者を出さないとそれには戦うしかないよねと。

東京都はこれまで協力金の支給対象を資本金5000万円以下または従業員50人以下の事業者としてきており、大企業は含まれていなかった。ところが18日に一転支給する方向に。

小池都知事(午後1時半すぎ):
大企業も協力金の支給について検討するように担当局の方に指示をしたところでございます。

一家ダイニングプロジェクト 武長太郎社長:
非常に残念なのは、なぜ最初からそういうふうにしてもらえない、こういう後出しみたいな形なのかなと思います。
かなりの勇気をもって通常営業踏み切ったわけですから、今さらじゃあ出しますって言われてもなかなか引っ込められないよというとこもありますよね。

橋下氏「ルールなく政治行政が勝手なことを」

加藤綾子キャスター:
時短要請に応じられないという店側の苦しい現状を橋下さんどう感じますか。

橋下徹 元大阪府知事:
当然のことですよ。
今までの政治が営業の自由に対して、本当に失礼なことをやり続けてきましたよ。
今も協力金についてどの企業に出してどの企業に出さないのか、何のルールもない中で、勝手に日本の政治行政が自分たちの気持ちでやってるだけですよ、感覚で。

だから法律が必要だ、ルールが必要だってことを3月からいろんな人が言ってたのに、4月の緊急事態宣言が出て5月6月で感染者数が少なくなってきたときに、あそこで本当はルールをきちっと作っておくべきだったんです。

今までは法律の根拠なく飲食店の皆さんに営業を止めさせて、しかも補償金も適当な金額。これはあってはならない。

今回の改正案で一番問題なのは補償金の額の決め方。またこれ定めないんですよ。改正案の一番難しいところなんだけどここ逃げたら特措法の意味ない、改正案やっているフリだけ。この補償をどう計算するかが一番難しいけど、ここを政治家がやらなきゃいけない、今の国会議員がまた逃げてますよ。

橋下氏「店名公表は懲役刑よりも厳しい」

加藤綾子キャスター:
店名公表の罰則強化については?

橋下徹 元大阪府知事:
店名公表に関しては、お役人たちは「店名公表は軽い罰」だという、まあ本のお勉強ではそういう位置づけなんですよ。
しか店名公表というのはSNSの時代においてものすごい社会的制裁が加わる、元凶ですよ。
パチンコ店の店名公表でもいい例だったじゃないですか。

SNSでの誹謗中傷というのは防がなきゃいけないってことをずっとこれまで議論してきたわけでしょ。こういう時代にあって何かルール違反があったからといって、店名を公表するなんて今の時代であってはならない。

加藤綾子キャスター:
もしかすると罰金よりも厳しいかもしれない?

橋下徹 元大阪府知事:
その通り!
今の現実では罰金よりも、もしかすると懲役刑よりも厳しいですよね。
だけどお役人の世界、本の中のお勉強では店名公表は罰金よりも軽い位置づけなんですよ。現実と違うじゃないですか。ほんとに役人の感覚というか現実とずれた法律の改正になっている。

「イット!」1月18日放送