“入院調整中” 東京過去最多7727人…急増する自宅待機の感染者

緊急事態宣言の再発令から10日。1月17日に東京で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は、日曜最多となる1592人。

中でも入院・療養先が決まらず、調整待ちの人数は過去最多の7727人となり、この1カ月半で約13倍にも膨れ上がった。

Mr.サンデーは、新型コロナウイルスに感染し、自宅で1人苦しそうに頭を抱える40代の男性を取材した。(※男性への取材はリモート取材で行い、提供していただいた動画は全て男性が自身の携帯で撮影されたもの)

田中さん(仮名):
結局、今日も入院先を待っていましたが、見つかりませんでした。胸がきついです…

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入院を待ち続けた男性が記録した自宅での様子を見ると、もはや誰にとっても他人事ではない生々しい苦悩が映し出されていた。

発熱・胸の痛み・薬がなくなる 不安が途切れない入院待機生活

【15日(金)入院待機2日目】

田中(仮名)さん:

食事は以前、出前でとった時の残り物。竜田揚げと茶わん蒸しとあさりの味噌汁、以上ですね。

都内で1人暮らしの田中さん。1月10日に38度台の発熱があり、翌日にPCR検査を受けた。

14日に陽性と判明し、保健所から入院が必要と判断されたものの15日、入院待機2日目を迎えていた。外出はできず、食事は数日前の残り物だという。

田中さん(仮名):
胸の痛みが強いです。深く息を吸うと咳き込んだりしちゃうんです。

田中さん(仮名):
家族がいるわけでもないですし、誰か発見してくれるわけでもないので、電話できるくらいの余裕があれば救急車を呼びますけど、できなかったら死ぬしかないですよね。

入院まで体はもってくれるのか…。

【16日(土)入院待機3日目】

田中さん(仮名):
土曜日午前10時になりました。いまだ入院先の案内はありません。とりあえずでもご飯を食べるしかないので、自分でなんとか免疫力をあげるしかないので、昨日の残り物でも食べたいと思います。

時折せき込みながら話す田中さん。38度以上あった熱を解熱剤で抑えていても辛い症状が続く。

田中さん(仮名):
体温計測ります。以前と変わらず、37度5分。はぁ…。

胸の痛みと発熱が続く田中さんは、手元の解熱剤があとわずかになり、さらなる不安に襲われた。

田中さん(仮名):
解熱剤があと4錠しかないです。1回2錠なんで、あと2回分。頼るものはこれしかないです。でも今飲もうかどうしようか悩むんだよな…でも飲んどこ。

頼りの解熱剤も残り1回分。不安が募っていたその時、自宅のチャイムが鳴った。

自宅待機の不安を和らげた かかりつけ医の訪問

田中さんのかかりつけ医が、自宅まで解熱剤などを届けに来てくれたのだ。その医師に取材すると、医師はこう指摘した。

医師:
新型コロナだと突然悪くなることがあるので、かかりつけ医というか地域の先生が行けるわけです。かかりつけ医の先生たちが「往診やりますよ」って言ってくれたら、もっと保健所とかも「かかりつけの先生に相談してください」と言いやすいでしょうし。もう少しフットワーク軽くできるんじゃないかと。

治療には限界もあるというが…

田中さん(仮名):
安心できたのかなんだかよく分からないですけど、胸の痛みもスーッと和らいできて、今はホッとしてます。

そして16日午後1時すぎ。

田中さん(仮名):
奇跡というか希望が叶ったというか、入院の案内が来ました。とりあえずよかったです。

ようやく入院先が見つかり、保健所が用意した車で病院に向かうことができた。

運転手:
おひとりで住んでいらっしゃるんですか?

田中さん(仮名):
はい。

運転手:
じゃあ心配ですよね。意識もうろうとしてきちゃうとね。

田中さん(仮名):
そういうのもあって、もう本当に死ぬかなって思って。

40代でも最悪の事態が頭をよぎり続けたという自宅での待機。感染拡大によって保健所や医療体制の逼迫する今、もはや誰の身に起きてもおかしくない事態だ。

(「Mr.サンデー」1月17日放送分より)