細さや形状など、用途に合わせてペンの種類は豊富だが、サンスター文具株式会社が一つのペン先で2つの役割を果たす特殊な形をした新しいペンを発売した。
それがこちらの、ペン先が2つに分かれている「Ninipie(ニニピー)」だ。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/f/2/700mw/img_f2a7cbe7c50aa6543521c3e54590d409319241.png)
「Ninipie」は、“ペンで書く”と“マーカーで引く”機能を1つのペン先に集約させることで、ペンを持ち替える煩わしさを解消した商品だという。
細い文字が書ける0.5ミリの「ニードルペン」と、大事なところを目立たせることができる「マーカーペン」の2種類が一つのペン先に付いており、クルッと回転させるだけで使い分けができるというわけだ。
![ペン先を回転させて使い分け](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/2/9/700mw/img_29cf1290063abd70548aab953d745e3f528736.png)
カラーバリエーションは6種類で、全国の文具店などで1本200円(税抜き)で販売されている。なお、カラーバリエーションは以下の通りだ。
<カラーバリエーション>
ライトピンク×ピンク
ライトイエロー×イエロー
ライトブルー×ブルー
グレー×ブラック
ライトグリーン×ピーチピンク
ライトバイオレット×ネイビー
![カラーバリエーション](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/b/9/700mw/img_b9f4dd9da0b7d5321971ea4452656890841313.png)
ちなみに、600円(税抜き)で3本セット(ライトピンク×ピンク、ライトイエロー×イエロー、グレー×ブラック)もある。
![3本セット](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/1/7/700mw/img_1703039cffefd60d8e8a907835585f67340779.png)
「Ninipie」を使えば、今まで細いペンとマーカーペンを別々で持ち歩いていた人も、1本にまとまったことで本数を減らすことができ、ペンケースの中も少しすっきりすることだろう。
1つのペン先で2役とおもしろいアイデアだが、どのようにしてこのアイデアは生まれたのだろうか?開発当時、担当者だったサンスター文具の原歩未さんに話を聞いてみた。
アイデアのもとは“学生時代の煩わしい経験”
ーー「Ninipie(ニニピー)」誕生の経緯を教えて。
入社1年目の2015年、ペン先が三角形になっていて、頂点で「ペン」、辺で「マーカー」が引けるペンのアイデアを考えたのですが、前例のない筆記具を作るハードルの高さから企画進行に至らず、アイデア保留となっていました。
2019年1月に再度、形状を変更し、一つのペン先で傾きを変えることで「文字を書く」と「線を引く」ことができるペン(現在のNinipieに近い形状)をアイデア提案したところ、部内で評判が良く、相談して進行することになりました。
その後に試作や試算を繰り返し、1年後の2020年1月、社内の最終会議を通り商品化が決定しました。しかし、サンプルの不具合が発覚したため、そこから更に検証を繰り返し、更に約1年後の2020年12月に発売の運びとなりました。
通常、弊社の商品は発案から半年後〜長くとも1年以内の発売がほとんどのため、非常に時間をかけて開発した企画となっております。
![2つの役割を1本で担うペン先](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/4/c/700mw/img_4c890fe9ec4c9063627f4cd973ae6107147300.png)
ーーどのようにして“ペンとマーカーを一体化”というアイデアは思いついた?
電車通学をしていた学生時代、電車の中で勉強していた際に、参考書やプリントの重要箇所に「マーカー」を引き、補足事項等を「ペン」で書き込む作業において、複数のペンを持ったり、蛍光ツインペンのキャップのつけ外しをすることに煩わしさを感じていました。
そのことを思い出し、一本のペンで、かつ、一つのペン先で「文字を書く」と「線を引く」ことができるペンを作りたいと考えました。また、既存の蛍光ツインペンは、マーカーと細字で同じインクを使用しているので、細字は文字を書くには薄くて読みづらいと思っていたので、ペンとマーカーで別インクにし、ペンの方を濃いインクにしております。
ーーどういった人をターゲットにしている?
勉強でノートをとる機会が多い女子高生をメインターゲットとしています。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/1/b/700mw/img_1bdc850a31d8deb42cdebc238257ce8e1312573.png)
ーー「Ninipie」という命名理由は?
「1本に2ピース」からとってニニピーと命名しました。
ーー開発で苦労した点はある?
本体およびロゴのデザインです。ペン先のインパクトが強いので、ペン先をアピールしつつ、でも単なるおもしろ系商品にならないよう、おしゃれに持てるデザインにすることに苦労しました。
流行の白軸を基調としながら、縦ラインとロゴマーク、丸いマークなど、随所のカラーリングで2色あることをアピールしています。透明キャップでペン先が見えるようにしつつ、キャップの頭の形状もペン先を模したデザインでインパクトを出しています。
![こだわった本体デザイン](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/d/4/700mw/img_d4b8e874ca7ea7fc1b371253b6381d621617342.png)
「かわいい」「便利」と評判
不思議な形状の「Ninipie」は、開発担当者の学生時代の経験を元に生まれた新しいペンだということが分かった。では、実際の反響はどうなのだろうか? 現担当者の柴崎颯乃さんに聞いてみた。
ーー現在の反響は?
お店からは店頭状況も大変良いと好評をいただいております。店頭で購入していただいたお客様からも、「色味がかわいい!」「1つのペン先でマーカーとニードルペンが使えて便利!」との声をいただきました。
世の中にない変わったペン先の商品のため、どのような反応があるかドキドキしていましたが、かわいくて使いやすいペンだという事がお客様にもしっかりと伝わっているようで、大変嬉しく思います。
ーーちなみに、人気のカラーは?
基本的にどのカラーも満遍なく人気ですが、「グレー×ブラック」は特に人気です。背景としては、勉強や手帳のデコレーションで、主張しすぎないグレーのマーカーを使う事が流行っている事が挙げられるかと思います。
![人気カラー(グレー×ブラック)](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/c/6/700mw/img_c62bf72e4b3317fe9ea8b7d065da8e8a133340.png)
ーー実際の書き心地の感想を教えて。
一見びっくりしてしまうペン先なので、書きづらそうな印象を受けてしまうかもしれませんが、ニードルペンに少し角度をつけているため、2つのペン先が同時に紙についてしまわないようになっています。
一般的なツインペンのようにペン先を持ち変える必要が無いので、ニードルペンでメモを取った後、すぐにマーカーペンで目立たせることが出来るといったように、書きやすく便利なペンだと思います。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/c/3/700mw/img_c3d6be829f539c2c727cc4f39c9ac68a878660.png)
開発時の担当者・原さんによると、ペンとマーカーで「同色で濃さ違いのタイプ」と「組み合わせてかわいい色違いタイプ」があるため、用途に合わせて使えるのもポイントなのだそう。評判が良いことから、今後も順次カラーバリエーションを増やしていく予定だという。
何本のペンを持ち変える煩わしさを感じている人は、手に取ってみるのはどうだろうか? 同じ悩みを持った経験者が開発したアイデアだからこそ、「Ninipie」の使いやすさを実感できそうだ。
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