何度でも“カドが出てくる”消しゴム

「ここの部分だけを消したい」。

密集した文章の一文字だけを、消しゴムで消すのに苦労した記憶はないだろうか。徐々にカドが丸くなっていく消しゴムは、愛用すればするほど細かい部分のみを消すことが難しくなる。

その悩みを解決しそうな新しい消しゴムが誕生した。

カドの数が多く、なにより“何度でもカドが出てくる”形状の「多角消しゴム ジグザグ」だ。

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開発したのはサンスター文具株式会社で、1つの消しゴムに45個のカドがあるという。

それだけではなく、端のカドから順番に使っていくと、残った部分が自然と次のカドとなる特殊な形状をしているのだ。

この形状のおかげで、“何度でもカドが姿を現す”という、カド消失の課題を解決した新しいスタイルの消しゴムなのだ。サイズは幅50mm、高さ18mm、奥行き16mm。

9月下旬から、全国の文具専門店・文具取り扱い売場・ファンシーショップ・書店などで販売され、価格は200円(税抜き)だ。

カドが存在し続けるため、いつでも細かい部分を消しやすいだろうが、どうしてカドに着目した消しゴムを作ることになったのか?そしてなぜこういう形になったのか?

サンスター文具株式会社・イノベーション部の赤間光貴さんに教えてもらった。

特殊な形状は折り紙からヒント

ーー「多角消しゴム ジグザグ」を開発したきっかけは?

子供の頃、新品の消しゴムのカドがすぐ無くなってしまって、悲しい思いをした事があったので、最後の最後までカドが残る消しゴムを開発しようと決意致しました。


ーーカドがたくさんある、この特殊な形状のアイデアはどうやって生まれた?

日本の折り紙からヒントを得て、最新の3D技術で消しゴムとして最適な立体を検証し、誕生致しました。

ーーこだわりの部分は?

業界内でカド数ナンバーワン(当社調べ)の消しゴムを目指し、カドで消してもカドが出てくる立体にこだわりました。

担当者「自慢しながら使って頂けたら」

ーー強度面は大丈夫?

一般の消しゴムでよく使われているポリ塩化ビニルの消しゴムではなく、合成ゴム(SBS)という折れにくい材質を使用しているため、強度面では問題ございません。


ーー消しカスの量は?

消しカスの量及び細かさは、一般的な消しゴムと大差ございません。また、一般的な消しゴムはポリ塩化ビニルですので、それに比べて合成ゴム(SBS)素材は環境負荷が少ないです。

ーー細かい所以外は消すのに不便だったりする?

大きな部分を消す際には少し不便を感じるかもしれませんが、文字を消すなどの用途であれば消字に支障はございません。


ーー現在の反響は?

プレスリリースで発表されてから、早速Twitterでバズっております。そのことに対しては、とてもありがたく、また嬉しく思います。


ーーどういった方に使ってもらいたい?

子供が学校の友達と自慢しながら使って頂けたらと思っております。

折り紙の構造から発想を得たという、カドが生まれ続ける消しゴムは、子供の頃の悲しい記憶から誕生したものだった。

細かくキレイに消せるのはとてもうれしいし、「となりの文字まで消してしまった!」というイライラも解消してくれることだろう。「多角消しゴム ジグザグ」は勉強へのやる気を後押ししてくれるかもしれない。
 

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プライムオンライン編集部
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