「自分が広めるのが怖い」“駅前PCR検査”を受けた結果は

12月10日、東京駅のすぐ近くにオープンした新型コロナの“駅前PCR検査”施設。

費用は1回1980円。これまで無症状者を対象とした自費での検査は1回数万円したことを考えると破格の低料金だ。

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SS DNAFORM 大久保和孝社長:
試薬を全て弊社で開発製造までしております。従って試薬は全て原価で調達が可能になっております。

検査の手順は次の通り。

(1)施設スタッフから検査容器を受け取り、検体を採取する部屋へ移動
(2)専用の綿棒を30秒咥えて口の中の唾液を自分で採取
(3)検査容器を施設スタッフに渡し結果を待つ

「勝負の3週間」最後の週末にPCR検査を受けに来た人たちに理由を聞くと…

50代女性:
高齢者(両親)と住んでいまして、GoToイートやGoTOトラベルも利用しているので、家族内でリスクがあるのが私なんですね。家族の人にうつって重病になってしまったら、絶対に後悔すると思うんです。父と母も(私が)ちょっと具合が悪いと大騒ぎするんですよ。(コロナに)なっているんじゃないかって。

20歳・男子大学生:
成人式でやっぱり集まりがあって、地元で広めちゃうのが怖いなって。田舎の方なので、結構数人出ただけでもやばいっていう風になってるんで。しっかり検査を受けて、安心した状態で自分も帰るのが一番良いのかなって。

翌日、検査を受けた2人の結果は陰性だった。成人式に出るために検査を受けた大学生は…

20歳・男子大学生:
今日、通知が来て陰性と確認されました。まず結果を受けてひとまず安心しています。富山に帰るのは火曜日、ここで外出してしまうと意味がなくなってしまうので。食事とかもなるべく家にあるもので済ませようかなと思っています。

検査結果が出てから帰省するまでの4日間、外食を控え、誰とも会わずに自宅で“巣ごもり生活”を送るという。実家の妹弟へのお土産も検査前にすでに準備していた。

民間企業が行うPCR検査の結果は「確定診断」ではないため、この会社では「陽性」の場合、提携している医療機関を紹介し、医師の診断を受けるよう促している。ただ、低料金で検査が受けられ、帰省して家族と過ごす際の安心材料にはなりそうだ。

全身を覆う“面会用防護スーツ”で久々の家族対面

一方、こちらは札幌市にある高齢者施設。面会制限が敷かれる中、感染防止対策をとりながら家族と入居者が会える、ある試みを行っている。

それは、一見ものものしく見える全身を覆う“面会用防護スーツ”。

介護付き有料老人ホーム「フルールハピネスしのろ」丸昌弘施設長:
万が一、中の人が感染していたとしてもそのウイルスを外に出さないようなフィルターになっておりまして、高齢者の方々が安全な形で面会してもらうために、こういった防護服の作りになっています。

Mr.サンデーが取材したのは、義理の両親の面会にやって来た娘と孫。許可を得た上で、防護スーツの内側にカメラを取り付け、久しぶりの家族の再会を撮影してもらった。

娘:
じいちゃん、ばあちゃん、あ~ひさしぶり~!元気だった?

祖母:
あ、こっちもか?あ、いたた…。

娘:
顔色もいいしね、よかったよかった。久しぶりだもんね。

祖母:
なんか涙出てきた。

モニターごしの面会にはない温もりと感触。

祖父:
でっけー頭だな。宇宙人みたいだ。

実際に部屋を訪れたことで、心配していた生活の様子も確認できた。

娘:
あと足りないものないの?

祖母:
大丈夫。あんたわかってるもん。

娘:
そうだね、ちょっとずつ持ってくるね。カレンダー持ってくるからね。

面会を終えた娘は、施設への感謝と家族との久しぶりの再会のよろこびを語った。

娘:
ここの施設が今回の防護服を用意してくれなければ、きっとまだまだ会えなかったと思うんですよね。会えない分、認知機能が低下したりだとか、そういうのも心配にはなります。本当に以前と変わらない父と母の姿を見ることができました。お正月にまた来れたらいいなと思います。会いたいです。

(「Mr.サンデー」12月13日放送分より)