全国で消滅の危機にあるといわれる言語や方言。奄美群島の方言もその一つだ。喜界町では、2日間にわたって「言語・方言サミット」が開かれ、11月1日に閉幕した。会場には沖永良部島の方言で歌う「幸せなら手を叩こう」が響き、石垣島の方言による童話「おおきなかぶ」の朗読も披露された。
方言で歌い、方言で読む
プログラムの中で目を引いたのが、島ごとの方言による歌と朗読である。沖永良部島の方言で歌われたのは、誰もが知る「幸せなら手を叩こう」だ。

石垣島の方言では、童話「おおきなかぶ」が朗読された。「うんとこしょ、どっこいしょ。それでもかぶはぬけません」。聞き慣れた物語が、土地の言葉で語られた。

サミット開催の背景
サミットは、2009年にユネスコが奄美群島の方言や北海道のアイヌ語など、国内8つの言語や方言が消滅の危機にあると指摘したことを受けて開かれるようになった。各地で伝承活動を行う関係者らが集まり、取り組みを共有する場となっている。
保存に向けた現状と課題
1日には、国語学が専門の福岡教育大学・荻野千砂子教授が、方言の保存に向けた現状と課題を報告した。
最後には大会宣言文が読み上げられた。「言葉は単に思いを伝えるための手段ではありません。暮らしの中で生まれてきた人々の心が息づいています」。言葉が暮らしや心と深く結びついていることを訴える内容だった。

参加した住民の声
サミットに参加した住民からは、他地域の方言に触れた感想が聞かれた。
「他の方言も喜界島と似ているところがあるなあ。ちょっと違うなあとかいい勉強になった」
一方で、子どものころの経験を振り返る声もあった。
「子供のころ家でも方言禁止ということになった。大事な宝だと思うのだけれど」

記録することの大切さ
文化庁国語課の鈴木仁也国語調査官は、記録の重要性を指摘した。
「話者が語っている中身をきちんと記録しておくこと自体が今後のためには必要になってくる」

島ごとに少しずつ違う言葉を互いに聞き合い、記録し、次の世代へつなぐ。喜界島で開かれた2日間のサミットは、その大切さをあらためて考える機会となった。

