「回数券を安いうちに20回分買った」。鹿児島県内の公衆浴場の入浴料が11月1日から引き上げられた。中学生以上の入浴料の上限は、これまでの460円から500円となった。
「かいせい乃湯」で進んだ料金改定の準備
10月30日、鹿児島市田上の温泉施設「天然温泉かいせい乃湯」では、料金改定の準備が進められていた。寒くなるこれからの時期には、1日に500人以上が訪れる日もあるという。地域の憩いの場として親しまれている施設である。

受付には料金改定を知らせる張り紙が掲示された。この日は券売機の設定を変える作業も行われていた。
値上げの理由は人件費や電気代の高騰
今回の引き上げは、人件費や電気代の高騰などを理由に決まった。入浴料の上限が引き上げられるのは、2023年12月以来である。
利用客からは「しょうがない」の声も
利用客に値上げの受け止めを尋ねると、さまざまな声が聞かれた。
値上げを前に来館したという利用客は、「その影響もあってきょう来た。回数券を安いうちに2つづり20回分買った。色々物価が上がっているからしょうがない」と話した。

週に2〜3回通う利用客は、「値段が上がらなければ上がらないほうが良い。値段が上がっても風呂には行きたい時に行きたい」と語った。値上げに理解を示しつつも、温泉に通い続けたいという思いがうかがえる。
支配人「ご理解いただきたい」
かいせい乃湯の小野実徳支配人は、苦しい胸の内を明かした。
「原油や人件費の高騰で料金を上げざるを得なくなった状況。お客様には迷惑になると思うがご理解いただきたい」

物価の上昇が続くなかで、地域の憩いの場を守るための判断だったことがうかがえる。利用客からは、仕方がないと受け止める声や、これからも通いたいという声が上がっている。これから寒さが増す季節を迎え、公衆浴場が地域の人々にとって身近な存在であることに変わりはない。

