一方、議員事務所の補佐官の主な役割は、地元有権者を支えることです。ワシントンを訪れる有権者の議会ツアーの手配、パスポート手続きが滞った際の国務省への照会、議員との面会日程の調整、有権者から寄せられる法案への意見の整理など、業務は多岐にわたります。
さらに、議員が重視する政策分野にはそれぞれ各政策ごとに担当補佐官がつき、所属委員会の補佐官と連絡を取りながら、委員会の会合にも議員に同行します。彼らは議員に代わって政策を細かく追い、賛否や対応方針について助言します。
議員事務所の補佐官は、インターンや議員のスケジュール管理をするスケジューラー、立法補佐官(LA:legislative assistant)などの比較的低いポジションから経験を積み、やがて立法ディレクター(LD:legislative director)へ昇進していきます。
その後、ロビイストに転身する人も少なくありません。さらに、議員補佐官の頂点といえるのが主席補佐官(COS:chief of staff)です。COSは議員の右腕として、議員に代わって有権者や関係者と会うこともあり、日常的に議員に同行するため、非常に近い関係を築きます。
そのため、議会を離れてロビイストになった後も、議員との特別な関係が続くことが多いのです。
憲法でも保障する合法的な政治活動
ロビイングは、政治家に陰で働きかけ、私的な利益を得るための不透明な活動ではありません。アメリカでは、ロビイングは憲法修正第1条が保障する「政府への請願権」に基づく合法的な政治活動です。
同時に、透明性を確保するため、法律によって登録や報告が義務付けられ、厳格な規制と監視の対象にもなっています。
ロビイストには、誰のために活動しているかに応じて連邦政府への登録義務があります。アメリカ企業のために活動する場合は、「ロビイング開示法(LDA:Lobbying Disclosure Act)」に基づき登録します。

