企業だけでなく、業界団体や市民団体、労働組合、環境保護団体、人権団体など、さまざまな組織がプロのロビイストを雇ってこの活動を行います。アメリカでは、ロビイングは単なる利益誘導ではなく、政策形成に必要な情報を提供し、市民や現場の声を届ける役割も担っています。
議員や官僚が、あらゆる政策分野に精通しているわけではありません。専門知識を持つロビイストが現場の情報を伝えることで、より現実的で実効性のある政策づくりにつながります。とくに法案作成を担う議会補佐官には、大学卒業後すぐに議会で働き始め、民間企業での実務経験が少ない人も多くいます。
そのため、理想論に寄りすぎた法案になり、企業活動への影響が十分に考慮されないこともあります。だからこそ、企業が現場の声を届けることは、よりよい政策をつくるうえで欠かせません。
どんな人がロビイストになる?
では、どのような人がロビイストになるのでしょうか。
最も多いのは、議会補佐官として経験を積んだ後、ロビイストに転身するケースです。議会入りの経緯は人それぞれですが、学生時代のインターンをきっかけに、そのまま採用される人も少なくありません。
議会補佐官は大きく分けて、委員会で働く補佐官と、個々の議員事務所で働く補佐官の二種類があります。委員会の数は会期によってやや変わりますが、第118会期では、上下両院と特別委員会を合わせて47あります。議員は、自身の経歴や地元有権者の関心に応じて、複数の委員会に所属します。
委員会補佐官には、政策に詳しいアナリストや弁護士が多い一方で、インターンなどのエントリーレベルの職もあります。彼らは議員に代わって法案を作成し、重要法案の成立に向けて議員や関係者に働きかけます。
議会内でのネットワークも広く、トップクラスの委員会補佐官になると、議員からも一目置かれます。新しい法案への賛否を判断する際、専門知識を持つ彼らに助言を求める議員も少なくありません。

